きょうの杖言葉一日一言 百歳の人生の師からあなたへ
「きょうの杖言葉一日一言」 百歳の人生の師からあなたへ
松原泰道 2006/12 海竜社 単行本 222p
Vol.2 No.566 ★★☆☆☆ ★★★★☆ ★★★★★
松原泰道禅師。1907(明治40)年生まれ。100歳のレヴィ=ストロースの一年先輩になる。「人生を癒す百歳の禅語」も読ませていただいたが、私は少年から青年になる頃に、シリーズででていた師の本をむさぼり読んだ記憶がある。現在でもご健在であられることに心よりお喜び申し上げたい。
さて、今回この本を手にとることになったのは、100歳100歳つながりではない。実はgoogleの「ブック検索」で見つけたのである。「ふまじめ領事」の本もそうだったが、このgoogleブック検索がなければ、このようなところに、Oshoが引用されているとは、一生気がつかないであろう。
10月12日 心に黒衣(くろご)を置く
「昔、ローマに一つのすばらしい慣習があった。戦争で大勝をおさめ、得々として凱旋する将軍のすぐ後ろに一人の従者がつきそって、絶えず将軍にこう注意を促したという。『将軍よ、この人びとにだまされてはなりません。人びとにだまされてはなりませんぞ。将軍よ、愚かな者たちにだまされてはなりません。さもないと、あなたの気が狂(ふ)れてしまいますぞ』」(バグワン『一休道歌』めるくまーる)
バグワンはいいます。「今こそ、各国とも大統領や首相の後ろから、誰かが『成功にだまされるな、とりあってはなりませぬ』と、声をかけるべきだ」と。誰もが傲慢にならぬように”心に黒衣(くろご)”を置く必要を教えられます。p176
この部分は、たしかに「一休道歌」(上)スワミ・アナンド・モンジュ訳の30ページに訳出されている。ちょっとだけ、師の口調にあわせて語尾などが変えられてあるが、まさにOshoが言わんととしていることを、ズバリとおっしゃっておられる。どこかの「ふまじめ領事」のようなとんちんかんなとらえ方をされるはずもない。
2月6日は「釣月耕雲(ちょうげつこううん)についても説明してある。名前に「耕」がついていたから、私の母方の祖父の法名にはこの4字がついている。
「西来祖道我伝東 釣月耕雲慕古風 世俗紅塵飛不到 深山雪夜草庵中」(道元禅師『永平広録』)(西の方インドから伝わった、禅の祖達磨大師のこころを、私は日本に伝える。漁師が釣りをし、農夫が耕やすにも似て、私も修行に励み古風を慕う。ここには世間の煩わしさは少しもない。いま私は深山の雪の夜の小庵に坐っている)
釣りといえば魚を、耕やすといえば田畑をとの目的格があります。その収穫を忘れ、ただ釣りのために釣り、耕やすために耕やすのを「釣月耕雲」と表現するのです。無心に只管に坐禅するのを「慕古風」と述べます。さとりを開くための坐禅ではなく、ただ坐るのです。釣竿一本に、鋤一本に徹し成り切るのです。p26
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