政治とケータイ ソフトバンク社長室長日記
「政治とケータイ」 ソフトバンク社長室長日記
島 聡 2008/09 朝日新聞出版 新書 249p
Vol.2 No.562 ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★☆☆☆☆
この本のタイトル「政治とケータイ」と聞いただけでは、選挙活動にケータイがどのように活用されるかが書いてあるのかな、というニュアンスにもとれるが、サブタイトル「ソフトバンク社長室長日記」というところを読めば、ああ、なるほどと、すこしはイメージが近くなる。
松下政経塾を経て、衆議院議員を三期務めたあと、落選を契機に、民間のソフトバンクの社長室に「拾われ」、その旺盛な活動力を縦横に展開している著者の自伝的PRというところだろうか。
孫正義は、私たちの世代の稀有な経済人であり、近年ではソフトバンクとしてケータイ電話を展開し始めたことは誰でも知っている。彼にしかできないことであろうし、彼だからこそ、国内第三位のケータイ会社をさらに魅力的にしてくれるだろう、と多くの人々が期待している。
この数日間は、北朝鮮のミサイル発射のニュースで日本列島も大いに揺れた。この時期、ある自治体の危機管理室の担当の人間とあっていた。彼はいつでも呼び出されてもよい体制になっていたが、使っているソフトバンクのケータイのつながりの悪さを嘆いていた。
当ブログへのアクセスも、ソフトバンクがかかわるプロバイダからの接続がかなりの量を占める。ほぼトップだ。私は別会社を経由しているので、使い勝手はわからないが、一時期のかなりアグレッシブな販売方法は、あまり良いイメージはもっていなかった。しかし、この時代、有線にせよ、無線にせよ、ソフトバンク、そして孫正義を抜きには語れない。
その会社に「拾われた」(何度も何度もこの表現を使ってしまって、失礼)著者もまた、民主党というスタンスから、かなり旺盛な表現力で、さまざまなことを語っているが、結局はやっぱり、よくも悪くも政治家だなぁ、とため息。
適材適所、それぞれの器に沿って、それぞれにふさわしい場所に配置されてはいるのだろうが、最近は、オバマの的確な大ナタを見ることが多くなっており、部分的な小技の連続話を聞いていても、あまり感動することはなくなった。日本の民主党が政権を奪取したからと言って、さて、どのような世界観を展開してくれるのか、その点にも、あまり夢を持てない今日この頃だ。
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