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2009/04/10

完璧な冷静 オバマ変革と試練

完璧な冷静
「完璧な冷静」 オバマ変革と試練
エヴァン・トーマス /ニューズウィーク編集部 2009/02 阪急コミュニケーションズ サイズ 単行本 221p
Vol.2 No.571 ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★☆☆

 この本の原書タイトル「A LONG TIME COMING」はピンとこないが、なにかの詩や歌から取っているのかもしれない。日本語のタイトルもあまりふさわしいものとは言い難いが、この本が「ニューズウィーク」誌の編集によるものであってみれば、「TIME」誌が出した特別編集版「オバマ ホワイトハウスへの道」と並ぶ、米国内の代表的かつ平均的な反興と記録ということになるのだろう。

 「オバマノミクス」を読んだときには、そんなにいっぱいなんでもかんでもオバマに期待してはいけないのではないか、と思った。だが、実際、これだけの選挙戦をあの手この手で勝ち抜いて、ようやく就任するポストなのだから、これだけの仕事をやってもらわなければならない。やってやろう、やれるはずだ、という自負がなければ、実際にこのような選挙戦を戦いぬけるはずはないのだ。

 ヒラリー・クリントンにせよ、あるいはマケイン候補にせよ、あるいは、共和党の副大統領候補だったペイリンにせよ、こうしてドキュメンタリーを読んでみれば、いずれもそれぞれの猛者であり、どのような結果になろうとも、誰が大統領の地位につこうとも、アメリカ合衆国、という国はそれなりに成り立っていくのだろう。考えてみれば、地球上で最大数の人口がかかわる選挙だ。中国、インド、ロシアなどの選挙とはうってかわった風景と言える。

 オバマ陣営では、ニューメディア部門が新たなキャンペーンツールを開発していた。支援者に無料配布したiPhoneのアプリケーション「オバマ08」だ。「コール・フレンズ」という機能を使うと、重要な州ごとに友人・知人の電話番号が表示される。そこに支援依頼の電話をかけ、「不在メッセージを残した」「興味がない」など連絡状況を記録しておく、そうすることで、選挙本番まで連絡すべき人を把握できるのだ。p107

 韓国の盧泰愚大統領誕生の際にも「オーマイニュース」などのネット・メディアが大活躍したとされているが、新勢力が新メディアを駆使するのは大切なことであろうし、不可欠のことでもあるだろう。日本は法的規制がいろいろとあるようであり、また、それだけのインフラを活用できるほどに「ネット社会」が成熟しているかどうかも不明だが、本来的には、ネット社会と民主主義は相性がよいはずなのであり、いずれはあたりまえの現象となろう。

 オバマが愛用していたのはiPhoneではなくて、ブラックベリーというビジネス・ケータイだったと思うのだが、そんな些細なことも読みとろうとしながら、このようなドキュメントを読んでいくのも楽しい。

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