まじめ領事の泣き笑い事件帖
「まじめ領事の泣き笑い事件帖」
西端国輝 2006/12 文芸社 単行本 241p
Vol.2 No.559 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
当ブログをよく訪問してくれる人のブログを読んでいて、初めて、「Googleブック検索」というものがあることに気がついた。さっそく、いくつかのキーワードを入れて検索してみたが、これがまたなかなか優れモノであることがわかった。本のタイトルや著者からなら、いままでの検索でも十分だったのだが、書いてある内容で検索できるのだから、これは優れているというしかない。
この本はその検索の過程でひっかかったものだが、通常ならこの手の本を読むこともなければ、気にすることもまったくないだろう。当ブログには無縁の本だ。しかし、書いてある内容は、ちょっと聞き捨てならないような内容が書いてあったので、さっそく図書館を物色。あるんだねぇ、このような本が。
1938年生まれ、現在70歳を超えた外務省の領事官を務めた人の述懐録のようなものだが、1980年にインド・ボンベイに勤務したことにより、なぜかプーナのアシュラムから物語はスタートするのであった。
新興宗教を盲信する日本旅行者
世界中の信者が押し寄せたプネーの街
変装してのアシュラム潜入
日本人信者とその母親
「鬼の領事」と記事に
自殺した夫の遺骨持ち出し
などなど、あることないこと、16ページに渡って書いてくれている。本人が体験したり思ったりしたことは検証しようがないが、明らかな間違いは、キチンと指摘しておくべきだろう。
ボンベイ・サミットに参加した国の領事たちの調査結果はインド政府に報告され、私がボンベイを去る一年前の1984年にインド政府はこの教祖を始めとして団体幹部を国外追放にしました。教祖バグワンは、超高級車などすべてを資産をアメリカコロラド州のデンバーに移して、相変わらずの贅沢三昧の生活を送っていたようですが、その生活ぶりをアメリカの有名週刊誌に写真入りで報道されたのを最後に、数年後にひっそりとオレゴン州で死亡したと聞いています。私が離任挨拶のためにプネー日印協会を訪問した際にアシュラムを訪問した時には、数人の若い外国人らしき信者たちが、閑散とした教団の施設を管理していました。そこには日本人信者の姿はありませんでした。p34
なんともはや、16ページにわたるプーナレポートの結論がこれである。立川武蔵の「インド・アメリカ思索行」に輪をかけた捏造文である。まちがいを指摘してあげる、というより、この文章のなかから真実を探すことのほうが難しい。
インド政府はOshoを「国外追放」になどしたことがあっただろうか。インド人のOshoは国外追放になって、どこに行けばいいのだろうか。「ひっそりとオレゴン州で死亡した」という記事は、世界中の本をさがしても、この本以外に見つけることはできないだろう。「聞いています。」と濁しているが、いったいこの人はどこからそのニュースを聞いたのだろう。
私は別にこの人が憎くて言っているわけではない。ただ、この人は1989年から、アメリカ・オレゴン州勤務になっているのである。一般人が週刊誌やテレビ報道でみていたとしても、もっと正確な情報をつかんでいるのに、政府の外務省勤務、ましてやプーナとオレゴンを体験している人が、ましてや法律の専門家が、このようなウソをまき散らしていいのだろうか。
立川の場合は、いまから30年も前の本だから、ちょっと大目にみることはやぶさかではないが、こちらの本は2006年12月に出版された本だ。新刊本の部類に属する本なのである。検証すべき時間は山ほどあったに違いないし、他の一般人よりもはるかに生の情報に触れる可能性があったはずである。しかるに、この体たらくはなにごとだろうか。あえていえば、この人は、自らの立場を利用して、デマ情報を積極的に流している、とさえ断じられてもしかたない。
今回この本は、Googleブック検索でひっかかったから取り上げたまでで、他の部分についていちいち指摘することはしない。しかし、十数ページを読んだだけでこのザマだから、この本に書いてあることのほとんどは信用に足らんと、当ブログは断定する。心ある人なら、この出版社と著者を訴えるであろう。当ブログの評価は、もちろんすべてにおいて零点である。「まじめ領事」が聞いてあきれる。「いいかげん領事」だ。
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