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2009/05/28

魂の科学<2>

<1>よりつづく 
魂の科学
「魂の科学」 <2>パタンジャリのヨーガ・スートラ
OSHO/沢西康史 2007/04 瞑想社 /めるくまーる 単行本 301p
Vol.2 No.643★★☆☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆

 「超宇宙論」をながめていて、サブタイトルが「魂の科学を求めて」となっていたので、こちらのOshoの本を思い出した。「超宇宙論」のほうも、必ずしもウスペンスキーの原書には「魂の科学」というサブタイトルはなかっただろうが、Oshoの本のほうも、講話された段階では、「魂の科学」というタイトルは持っていなかった。

 Oshoは「私が愛した本」の中でパタンジャリに触れ、「私はパタンジャリについては10冊の本で話した。だから彼についてはこれ以上言う必要はない。」と述べている。その10冊とは、「Yoga: The Alpha and the Omega」 シリーズの73/12/25から始まるVol 1から、76/05/10 amに終わるVol 10までの、ちょうど100話の講話のことである。この年代順は「シーポヨのしわざ」の「オショウの講話タイトル:年代順」に詳しい。

 このOshoの「魂の科学」は、これら100話から成り立つ10冊の本から選出された部分が6話にまとめられて、2002年に出た英語本「「YOGA: THE SCIENCE OF THE SOUL」、これが2007年に邦訳出版されたものである。この辺の経緯は、Oshoの講話に普段から慣れ親しんでいる人は分かっているかも知れないが、初めて読む人たちには、もうちょっと親切な案内があってもよい、と思われる。

 だから、魂の科学、という言葉が乱立しているけれども、必ずしも、同じ言語や、同じ内容についての複数の人間の解釈という風に理解しないほうがいいだろう、と思われる。まったく別な独立したアルファベットとアルゴリズムである。

 上の「オショウの講話タイトル:年代順」を見てみると、この「YOGA」シリーズが始まったのが、73年だが、盛んに展開されるようになったのが75年になってから。そして、Vol2からVol3までの間に話されたのが「Tantra: The Supreme Understanding (邦訳「存在の詩」)と「The Grass Grows By Itself (邦訳「草はひとりでに生える」)である。だから、日本において初期的に紹介された、タントラや禅に対するOshoのビジョンが強くて、ヨガについてはあまり語られてこなかったようなイメージがあるが、実は、実態は逆である。むしろ、Oshoはこの時期、ヨガについて10シリーズも長々と語っていたのである。

 今回、このシリーズが一冊にまとまめられ、なおかつ邦訳されたということは、講話から30年の年月が経過しているが、とても意味深いものが感じられる。

<3>につづく

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コメント

>このOshoの「魂の科学」は、これら100話から成り立つ10冊の本から選出された部分が6話にまとめられて、

・・・とは言っても、その6話の中の3話は「Yoga: The Alpha ~」の第1巻から選出されています。
そしてこの第1巻は上記の通り「魂のヨーガ」として訳されています。
残りの3話は、原書の4巻と5巻から選出されています。

つまり、「魂の科学」の内容の半分は「魂のヨーガ」に書かれてあるということです。
ようするに、この「魂の科学」に選出された6話は、原書の全100話をまとめてはいない、ということです。
単なる導入部にすぎない、ということですね。

それと、別に翻訳チームというものがあるわけではありません。
みんな、各個人で自主的に翻訳しているだけです。

ただ、別のところにも書きましたが、OIFが原因で翻訳しても出版できないという異常な状況が続いています。

投稿: Devayana | 2016/04/09 15:40

>Devayanaさん
ああ、翻訳とは偉大なる仕事ですね。私なんぞは、翻訳があるかないかで、大違いなので、翻訳チームには、是非とも頑張ってほしい、と期待してしまいます。

投稿: bhavesh | 2014/02/19 10:33

>だから、日本において初期的に紹介された、タントラや禅に対するOshoのビジョンが強くて、ヨガについてはあまり語られてこなかったようなイメージがあるが、実は、実態は逆である。

この点は私も同じ感覚を持っていました。
瞑想社は、一時期、もうOshoの本は出さないと言っていたらしいですが、最近社長が変わってから、また出す方針らしいです。多分に「Joy喜び」の売れ行きの影響を受けているのでしょうが、それでも、この「魂の科学」は上に書かれてあるように「Yoga: The Alpha ~」10巻の編集本であり、別に市民出版社から出ている「魂のヨーガ」は、この「Yoga: The Alpha ~」の1巻分に当たります。それでもこの原書も新刊でタイトルが変わっているので、市民出版社も「魂のヨーガ」を編集本と思い込んでいるようです。
それで、瞑想社はこの「Yoga: The Alpha ~」10巻も完訳出版したいらしいですが、私個人的な印象では、あまり期待できない感じです。
見たところ、「魂の科学」の翻訳者は「ダンマパダ」と同じ人ですし、「ダンマパダ」も全12巻で大部ですが、Q$A抜きの経文部分だけの翻訳とはいえ、2冊目の「不滅の言葉」が出されてから早10年が過ぎましたしね・・・。正直、大仕事です。
「Joy喜び」にあやかったOshoブームがどこまで発展・定着できるか、それにのっとってこの長期的な大仕事が完成させられるか、少々微妙な思いを持っています。
希望としては、完成させてほしいですけれどね。
私自身も現在、私的に「Yoga: The Alpha ~」の中から興味ある章を翻訳しています。

投稿: Devayana | 2014/02/19 09:28

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