OSHO、聖典を語る<3>
<2>よりつづく
「OSHO、聖典を語る」 エッセンス集 <3>
OSHO /玉川信明 2003/12 社会評論社 単行本 310p
Vol.2 No.630★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆
「コーラン」をめくっていて、なんとなくこの本を思い出していた。以前より、「聖典」というところに、やや違和感を持っていて、「和尚ガイドブック・シリーズ」全4冊のうち、最後の一冊でもあり、どこか個性が薄い感じがしていた。トランスパーソナル心理学や、ZEN、あるいはTANTRAに触れた前の3冊に対して、この本は、いまひとつ取り組めないでいた。
ところが、「私が愛した本」つながりでスーフィーを追っかけているうち、ハッキム・サナイにぶつかった。サナイについては、Oshoはかの本において4ページ以上にわたって触れている。長文過ぎる上、内容的にもやや転載するには、微妙なものを含んでいる。かと言って、ほかに日本語文献が翻訳されているわけでもない。
そこでOshoがサナイについて語った「ユニオ・ミスティカ」を思い出したが、当ブログではまだ未読であった。あらたに読み込みをするのには、丁度よい機会かなとも思ったのだが、あ、そういえば玉川本があるなぁ、とこちらのことも思いだした。
玉川本シリーズについては、出版当初より、いろいろ思いは錯綜したが、出版当初のうろたえた気分より、やや落ち着いていて、ああ、こういう「ガイドブック」というものもあっていいのだ、と思えるようになってきた。いや、むしろ、こういう形でまとめてくれてありがとう、という感謝の気持ちにさえなってきている。
「ユニオ・ミスティカ」は474ページにわたる大冊だが、その要約としてこの玉川本にまとめられている分は、30数ページ。はて、それで足りるのかどうかは、読み方しだいだが、数行の紹介ですら、力を持つ場合の多いOsho講話である。そのダイジェストの方向や引用方法が間違っていなければ、それなりにOKということになるのだろう。
第2章 世界の闇と光は溶け合っている ----ハキーム・サナイ「ザ・ハディカ」(真理の花園) p43
約30ページと、かなりコンパクトであるが、コンパクトであるがゆえに全体をとらえやすい。とらえやすいけれども、サナイの場合、他のスーフィーたちと同じく、なにか論評を加えるという雰囲気にはならない。ただただ拝聴しているだけで、なにか不思議な世界へとリンクされていることに気づく。
このガイドブック(4)には、他に老子「道徳経」、「イーシャ・ウパニシャッド」、「般若心経」、「ダンマパダ(法句経)」、「トマスの『聖書』」、「ティロパ『マハムドラーの詩』」、「サラハ王の歌」などのダイジェストが収録されている。
聖典といえば聖典なのだろうが、どうもその括りではすべてを表現しているとは思えない。玉川としては、前の3作に収録しきれなかった分を、さらに一冊追加した、ということだろう。ましてや、サナイを「聖典」という括りではなかなか考えることは難しい。スーフィーはやはりスーフィーだ。
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