色彩自由自在
「色彩自由自在」
末永蒼生 1988/07 晶文社 単行本 174p
Vol.2 No.631★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆
図書館に行ったら、この本があったので、へぇーこんな本がでているんだ、と早速ページをめくってみた。なかなか面白い。途中まで読みすすめてから、フィリピンのアキノ大統領あたりの話になって、ふと奥付を見て、初めて、この本が20年前の本であることに気がついた。なんとまぁ、時代を超越していることか。
末永蒼生追っかけをしたことがないので、当ブログでは「心を元気にする色彩セラピー」 (2001/01 PHP研究所)程度しか読みこんでいないが、最初に彼の文章を読んだのは、今から40年前、私はまだ高校生だった。彼もまだ20代だったに違いない。その名も雑誌「黒の手帖」は今は懐かしい幻想文学の月刊誌だったが、彼はその中に、児童画とアサリ式心理診断法を取り上げていた。
あの時のイメージは、この本を読んでも、何ら変わらない一貫したものがある。当ブログでは、著書にこそ触れていないが、著者やアサリ式については、自分でググってみると、何度も何度も触れていることがわかる。はて、私は、これだけこの潮流に関心を持ちながら、なぜに直接追っかけをしないのだろうか、と、不思議な気分になる。
20歳前後の頃、アサリ式のノウハウの基本を学んだあと、仲間たちと絵を書いたり、批評をしあった。後年、未就学児童や、極端に口数のすくない青年などのカウンセリングの担当をする時は、積極的にこの「お絵かき」を採用した。必ずしも「診断」とか「セラピー」という意識は持たなかったが、切り口としてはかなり有効だった。
ただ、ひとつのノウハウを身につけてしまうと、その価値基準が縛りになってしまい、ものごとを何でも一律に理解してしまおうという「サボり」がでてくるように感じるようになった。だから、あえて、ある時期から、このノウハウには距離を保つようになったのだった。
それにしても、そのような中で末永蒼生という人は一貫して、彼自身のスタイルを貫いてきたように思われる。心理学のようなアカデミズムに逃げてしまうのではなく、自らの「画業」に浸っていくのでもなく、児童画やカラー&アートという分野で走り続けてきた、というところに稀有な存在価値を感じる。
とにかく、一回、その辺のところを積極的に追っかけてみようと思っている。彼の弟の名前は「朱」の文字がつく。画家だった父親が「蒼」と「朱」を息子たちの名前につけたことを考えると、その鮮烈なイメージがさらに際立ってくる。当ブログ、最近は「心理学」というものに、それなりにアプローチをし始めている。更に一歩進めるには、この「色」から近づいていくのも一考かな、と思いだした。
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