私の愛した本<32>アル・ヒラジ・マンスール
「私が愛した本」 <32>
OSHO /スワミ・パリトーショ 1992/12 和尚エンタープライズジャパン 単行本 269p
「アル・ヒラジ(ハッラージュ)・マンスール」
4番目。私は最も美しいひとりの男を見た。私は彼について話したことがある。だが50冊のリスト、あの独断的なリストの中では彼に触れなかった。その男の名前はアル・ヒラジ(ハッラージュ)・マンスールだ。アル・ヒラジは1冊の本も書いていない。あるのはわずかな言葉、むしろ宣言とでも言うべきものだ。アル・ヒラジのような人は宣言するだけだ。それはいかなるエゴイズムによるものでもない。彼らにはエゴはない。だからこそ「アナルハック」と宣言するのだ。「アナルハック!」が彼の宣言だ。そしてそれは「私は神だ。そしてほかに神はいない」という意味だ。
イスラム教徒たちはこの男を許すせなかった。彼らはアル・ヒラジを殺した。だがアル・ヒラジを殺すことなどできるだろうか? それは不可能だ! 殺されている最中でさえ、彼は笑っていた。誰かが「なぜ笑っているんだ?」と尋ねた。
彼は答えた。
「お前たちが殺しているのは私ではないからだ。お前たちが殺しているのは肉体にすぎない。そして私は、私は肉体ではないと何度も何度も言ったはずだ。アナルハック! 私は神そのものだ」
さあ、こういう人間こそまさに地の塩だ。
アル・ヒラジ・マンスールは、一冊の本も書かなかった。そのいくつかの宣言が、彼を愛する者と友人たちによって集められたにすぎない。私は、信奉者という言葉さえ使おうとは思わない。なぜならアル・ヒラジのような人間は、信奉者、模倣者でさえ受け入れはしないからだ。こういう人たちは恋人、友人しか受け入れない。
申し訳ない。私は彼のことをすっかり忘れていた。これは私の落ち度だ。しかし、アル・ヒラジよ、あなたは私の窮境を理解してくれなくてはいけない。私は、あなたが耳にしたこともないようなたくさんの本を読んでいる。10万冊以上の本を読んでいる。さて、そのすべての中から50冊だけを選び出すのは、実に難しい仕事だ。私はごくわずかを選ばなければならなかった。そして、当然のことだが、目に浮かべながらも、たくさんの本を除外せざるをえなかった。できることならそれらの本も選びたかった。だがあなたのことは追補の中で記録しておこう。 Osho「私が愛した本」 p74
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