多読術<1>
「多読術」
松岡正剛 2009/04 筑摩書房 新書 205p
Vol.2 No.620★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
ちょっと時間ができたので、大型書店でブラブラ。相変わらず新刊本は出続けている。トンデモ本のコーナーも相変わらずのにぎわいだが、店員のミスだろうか、真面目な本もトンデモ本コーナーに並んでいる。注意しようかと思ったが、気がついてみれば、トンデモ本というジャンルは、勝手に自分がつけたもの。みずからトンデモ本であると自称している本は少ない。一応、みんな真面目を装っている。
茂木健一郎は、ひととおり目を通してやろう、と思っていたのだが、今日、書店に行ってみたら、またまたあっというまに増殖していた。脳科学者という触れ込みだが、彼って真面目なのかな・・・? つうか、トンデモ本の流れで茂木健一郎も読まれている可能性もあるのではないだろうか。つまり、軽いノリで、面白可笑しく、ざっと目を通せばそれでいいのかも知れない。
さてセイゴー親分の新書もでていた。内容はまずまず面白い。10分くらいで読めてしまう軽い本。だけど、結局、彼の半生やら、編集工学やら、読書歴やら、ネットに対する心構えやらが、ひととおりわかるようにできている。
仕事場に7~8万冊、自宅に2~3万冊の本があるとか言っていて、その写真もついていたが、やはり、個人で図書館を所有しているという感覚だろう。立花隆の猫ビルといい、なんとも、贅沢と言えば贅沢、ご苦労さまと言えば、ご苦労さま、としかいいようがない。仕事柄、車屋が修理工場を持つように、農家が田畑をもつように、文筆家たちには必要品なのだろうが、なんだか時代遅れのような気もする。すくなくとも、我ながら嫉妬心が湧いてこないが不思議だ。
仮に10万冊を50年間で読んだとして、年間2000冊。1日6冊を読み続けてきたことになる。まぁ、それは可能だろう。朝刊新聞をトップ記事から最後のページまで目を通せば、だいたい新書本を一冊読んだことになる、という。つまり逆に言えば、1日、に新聞を、朝刊、経済紙、地方紙など6種類を丁寧に読んでいく程度の読書量だろうから、できないこともない。しかし、それもなんだか偏った人生だなぁ、と思う。
それにしても、編集工学とやらの、結局の結末はなんだったのかな、と、ちょっと首をかしげることがある。雑文や、売文やで、結局は御商売に励まれることはよいことだけど、けっきょく松岡セイゴーの一生かけておこなった業績とはなんだったのだろう、と、ますます私は首をかしげてしまう。
ネット時代における読書の在り方は、もうすこし違ってくるのではないだろうか。すくなくとも、一般人は、蔵書のための特別なスペースを確保することはできない。ほどほどの蔵書と図書館を利用し、あとはBOOK OFFにでも売りさばく、というスタイルになっているのではないだろうか。
「術」まで使って「多読」する必要もないとは思う。3割5分くらいのヒット率であればよい、というような言葉があったが、本当は一生に一冊あればよいのかもしれないぞ、と思う。いやいやそんなにすごい本はない。やっぱり、いっぱい読んで、その中から探していくしかないのかな。本は2回読め、というアドバイスもあった。勝間和代の本もやたらと目立つ今日この頃ではあるが、本屋の陰謀も絡んでいるだろうから、あんまり純に素直にだけ、とばかりは受け取れない。
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