疾走する精神
「疾走する精神」 「今、ここ」から始まる思想
茂木健一郎 2009/05 中央公論新社 新書 201p
No.649★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆
精神やら思想やら意識やら脳科学やらクオリアやらと、なかなか忙しそうな八面六臂の大活躍だが、こちらは「中央公論」に2007/1月号~2008/8月号に「新・森の生活 多様性を科学する」として連載されたエッセイ集がまとめられたもの。著者の著書一覧を見ると、実によくまぁ、書きまくっているものだ、と呆れるほどの多筆ぶりだ。
ひとつひとつが連載エッセイだから、ニーチェ、ソロー、タゴール、ダーウィン、マルクス、などなど、さまざまな気になる人々の言節を引っ張り出してきては、著者の思惑を展開している。面白いと言えば面白いが、呆れると言えば呆れる。結局、この人、何を言いたいのやら。
書店にいくと、最近の私なら、勝間和代とこの人の新刊がやたらと多いことが気になる。勝間にしても、本当は、この人に言ってもらわなくても、別に他のソースから分かっているはずなのだが、あえて、この時期、この人に言ってもらいたい、というマーケットのニーズがあるのだろう。
こちらの茂木ブーム(と敢えて言っておこう)も、本当は茂木健一郎に言われなくても、すでに分かっていることでも、この時期、敢えて茂木に言わせようという風潮があるのではないだろうか。これは出版界の陰謀でもあり、読書人の怠慢でもある。それを知って、うまくその神輿に乗っている御本人も、どこまでしたたかなのか、うぶなのか。
100年に一度とか言われる不況の日本にあって、出版マーケットでは茂木健一郎というクオリアが商品化されて、節操もなく消費され続けている。せめて粗悪品ではないことを願う。
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