脳とコンピュータはどう違うか
「脳とコンピュータはどう違うか」 究極のコンピュータは意識をもつか
茂木健一郎 /田谷文彦 2003/05 講談社 新書 207p
Vol.2 No.670★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆
当ブログは表題のようなテーマに強い関心を抱いている。「脳とコンピュータはどう違うのか」「究極のコンピュータは意識をもつか」というテーマに関心を持たない人はいないだろう。だが、そのテーマにズバリ答えてくれている本は少ないし、またそのことを明確に理解することも難しい。
「未来のアトム」を読んだときに、一定程度の結論を得たような気がした。結論はNO。人工頭脳がどれだけ進んでも、身体性を獲得しなければ、人口頭脳は意識を持てない。そして、その身体性を作り出すことはほとんど不可能に近い。
この「脳とコンピュータはどう違うか」もうすでに6年前にでた本だが、むしろ、茂木健一郎の本はこの時代のほうが本質的で面白そうだ。現在は「意識とはなにか」を読み込み中だが、巻末のリストもなかなか興味深い。
脳のことをいくら調べても、その素子であるニューロンの振る舞いをいくら調べても、どう考えてもそこに私たちの心という不思議なものが宿るとは思えない。同様に、コンピュータをいくら複雑にしていったとしても、そこに心が宿るとはとても思えない。しかし、それはあくまでも私たちが頭の中で作った「コンピュータ」という理論モデルの中に、心を生み出すような要素がないというだけの話であって、見つは私たちがコンピュータと呼んでいる「モノ自体」が何者なのか、私たちは全く知らないままなのである。(茂木)p77
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