脳と仮想
「脳と仮想」
茂木健一郎 2004/09 新潮社 単行本 222p
Vol.2 No734★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆
茂木健一郎は、この本で第4回「小林秀雄賞」を受賞した。冒頭から小林秀雄をかなり持ち上げているから、もともと賞狙いの本だったのかも知れないし、そもそも一読者としては、小林秀雄についてはあまり知らないので、それもありかしらん、と淡々と読む。
余談だが、白州次郎&正子の孫である白洲信哉は小林秀雄の孫でもあるという。
茂木健一郎は、子供たちが好んでみていたNHK番組の司会などをやっていたので、知った程度だが、梅田望夫との対談を読んで、ちょっと気が抜けているなぁ、と感じた程度だった。
当ブログでは、いつの頃からか、コンテナ、コンテンツ、コンシャスネスの三本柱を意識するようになり、コンシャスネス=「意識」、がひとつのキーワードになった。「意識は科学で解き明かせるか」を読んで、お、これはいけるかな、と思い、すこしづつ追っかけをするようになった。
小説としては初めての作品だという「プロセス・アイ」は面白く読んだが、その後に読んだ一連の著書を、冊数から考えてみた場合、その成果はあまり芳しいとは言えない。現在は「意識とはなにか」とその巻末にある参考文献リストを手掛かりとして、新しい追っかけプロジェクトをはじめようと思ったりもするのだが、いまだに重い腰が上がらない。
クオリアや意識、あるいは脳、というキーワードが意図的に使われすぎて、ちょっと食傷気味になっている。最近濫造されている著者の本も、あちこちの雑誌に書き散らかされた文章がまとめら得たエッセイ集であり、必ずしも、当ブログとしては読書リストの優先順位が高くならない。
この本においても、なにかの「解答」のような求めるこちら側が悪いのだろうが、「では、一体なに?」、という、開き直った問いには、ズバリと答えてくるものはない。
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