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2009/07/28

自分力を高める色彩心理レッスン

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「自分力を高める色彩心理レッスン」―心を元気にし、仕事や人間関係をグレードアップ
末永 蒼生 2005/04  ナツメ社 単行本 223ページ
Vol.2 No731★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆

 10代の頃に、著者の「ウルトラトリップ」を読み、20歳前後で「生きのびるためのコミューン」(1973/03 三一書房)を読んだ立場としては、どうもいまひとつ、この色彩やカラーについての、あれやこれやのエピソードがいっぱい詰まった著者の活動は、すんなりと納得できないところがある。納得できないのはなぜなのか、その理由はいまだによく自分でも分からない。

 直感的にいえば、グルジェフのエニヤグラムが性格判断のような用いられ方をされていて、忘れさられてしまうよりはいいかな、と思いつつも、ちょっと発展方向が違うな、という違和感を持っているのと、やや似ているようにも思う。

 アメリカにおいて、エサレンなどで、たとえばアラン・ワッツらがZenやセラピーに辿りつき、何事か発展させようとしていた時代と、著者が60年代から繰り返してきたイベントなどは、時代的にも、意味的にも、重ならないわけではない。その後、エサレンの活動が、どのような展開になったのか、少なくとも当ブログから見て好ましい発展を遂げたのかどうかは、まだ確認していない。そのような観点から、日本における一つの可能性が、時代を超えて、市民社会に根付いた動きの一つとして、著者のカラー&セラピーの動きはちょっと気になるところではある。

 著者の関わっていた色彩心理研究に多いに啓発されるところがあり、20歳前後の時に、私達のグループでは盛んに「お絵かき」が行われた。いわゆる色と形の意味について、一通り学んだ。しかし、その「学んだ」ことが、よかったのかどうか、をソーカツすると、吉凶あいなかばすると、私は思う。

 この本は2005年にでているので、著者の本の中では、比較的最近の本ということになる。自分力・・・ですか。このような若いコピーライターが宣伝文でも使うような言葉が氾濫して、イメージだけが先行していく。「色彩心理の世界」でもそうだったが、この本においても、キャッチコピーとして「心を元気にする」というキーワードが使われている。

 厳密に言えば、「心」が「元気」になる、なんていう用語は、ほとんどつかみようのない曖昧模糊としたイメージでしかない。心理学的には「ガンバロー」なんて激励の言葉は禁句とされているが、心が元気であることに反論はないが、色を使って、心を元気にする、というその行為自体、どうも腑におちない不安定さを感じる。それもレッスンまでして・・・・。

 著者の活動を支持する勢力があり、具体的な成功例として、著者が歩み続けているのは御同慶に堪えないが、しかし、著者は、もともとこの地点にたどりつくために、あの旅を始めたのだっただろうか、と、ちょっと不可思議な気分になる。

 それだけ厳しく見るなら、まず自分自身を見てみないさいよ、という声は私の内にも確かにある。ここまでもってきた著者の活動は並々ならぬものがある。だから、認めよう、という気持ちと、だからこそ、なにかが違うぞ、とひとこと言っておきたい気分とないまぜになっている。

 チベット密教についての著書の多い正木晃なども、別な角度から色の世界に突入しており、末永と同じく「塗り絵」帳なども複数出版しているので、いつか、それらを比較検討してみるのも面白かろう、と思う。

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