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2009/07/15

クオリア再構築

クオリア再構築
「クオリア再構築」 常識の壁を突き抜け、遡る5つの対論 
島田雅彦 /茂木健一郎 2009/06 集英社 単行本 226p
Vol.2 No715★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆

 この本も結局は直近の書き下ろしとかではない。2006年5月~2008年9月に月刊誌「すばる」に掲載された対談の再掲載であり、「青春と読書」2009年6月に掲載された文章である。対談相手の島田雅彦は1961年生まれの作家にして大学教授。

 茂木健一郎という存在を一生懸命好きになろうとして、すりすりしてみるのだが、どうもいまいち私の努力は実を結んでいないところがある。たぶんこれは無理なのではないだろうか。子供たちが話題にしているロック歌手(という言い方からして時代がかっている)を一生懸命聞いたり、好きになろうとしても、全然だめなのと似ている。彼らが見ているマンがを好きになろうとしたり、奥さんが読んでいるような小説をボクも読んでみよう、なんて手を出しても、すぐ放り出してしまうような感覚に似ている。

 最近はなぜだか半世紀前のZen的英語文献が周りに寄ってきているが、まどこっこしいなぁ、と思いつつ、なかなか面白い。でも、こんな「古典」ばかり読んでいては時代に遅れてしまう、と早くこのZenシリーズを卒業して、2009年に戻りたいと思うのだが、あせればあせるほど、ちぐはぐな感覚がひろがりはじめる。

茂木 インターネットという怪物が野に放たれてから約10年でしょう。10年でこれくらいの技術革新。一方、鉄の技術革新には、おそらくかなり長い時間かかっているんじゃないかなという気がする。100年、200年かかって、今の形になってるんじゃないか。p62

 こんなことまで、茂木おっかけをして読まなければならないなんて、なんだか時間をすごく無駄にしている感じになる。

島田 贋金づくりや錬金術とよく似ているんですよ。学問分野における新たな人工言語の確立に匹敵する。今たまたまスピノザも、マルクスも、フロイトも、チョムスキーもユダヤ人だということもいいましたが、一方でシオニズムが成立したときにはユダヤ人も国土を持ち、ナショナリズムを発揮する主体としてのネーション・ステートを持ち、ヘブライ語という母語の中に安住の地を見出し、金融資本のバックアップを受けながらかつてのアングロサクソンのような戦略を進めている。p116

 誰がどんな意見をもつことも可能ではあるが、だからと言って、だれかれ構わずおしゃべりしまくっているのを聞いている必要もないし、なんら新しい価値が生まれるわけでもない。むしろ、今は沈黙することの価値をこそ求めるべきかもしれない。

 ティモシー・リアリーにとっての幻覚剤、ジョン・C・リリーにとってのIsolation tankに代わる何か別の物が必要だ。ドラッグやタンクのようなサイエンスでも、イデオロギーでも、宗教でも、エコロジーでも、コンピューターでもない、もっと素朴で、人が潜在的に持っている力を引き出してくれるような装置が。p208 島田

 前段で大げさなことを言っているのだから、「何か別な物」なんて言っていないで、ずばり自分がそのものを言わなければならない立場なのではないだろうか。

 茂木 僕はずっとインターネットで実験をしてたんです。メーリングリストだとかコミュニティとか、ブログも書いているしSNSもやった。その結果、ネットの特性は過剰流動性にあるということを確信した。つまり、それがネットの福音であると同時に毒なんです。p219

 みずからを濫造しているのか、メディアのおもちゃになっているのか、さもないことを多弁しすぎている。好きになろうとしている自分がなんとも可笑しい。ふー、当ブログも、そろそろ茂木「クオリア」おっかけプロジェクトをみなして、ブログ全体を「再構築」しなくっちゃ。

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