The Life of Marpa the Translator<2>
「The Life of Marpa the Translator」 <2>
Chogyam Trungpa (著) 1995/6/18 出版社: Shambhala; Reissue版 言語 英語, チベット語
Marpa was not purely a translator who translated from Sanskrit to Tibetan, but be acutally brought Buddhism to Tibet. pXV チョギャム・トウルンパ
翻訳官という言葉の意味は、単に翻訳したということではなく、インドにおけるタントラをチベットに運び込んだ人物という意味なのであった。師をもたずに独覚したティロパ。大学の教授職を辞して野にくだって覚醒を求めたナロパ。チベットに満開の花を咲かせたミラレパ。その法灯の中にあって、マルパの位置はインドのナロパから、チベットのミラレパへのtranslateを成功させた人物、というものであろう。
法灯を異邦人として他の地域にtranslateした人びとはさまざまある。達磨がそうであろうし、三蔵法師もそうであろうし、時には、鎌倉時代の祖師方もその位置にあるだろう。チョギャム・トゥルンパは、チベットを追われ、欧米に渡り、自ら率いる翻訳グループにこの本を翻訳出版させる時に、自らを、本当の意味での翻訳官マルパの姿に同化させようとしたのでないだろうか。この本のデザインもトゥルッパがしている。並々ならぬ意志を感じる。
思えば、20世紀において、スーフィーを欧米社会に持ち込もうとしたグルジェフも翻訳官であっただろうし、Zenをもちこもうとした鈴木大拙や、ハシディズムを紹介したブーバーなども、いわゆる翻訳官であった、と理解すべきなのであろう。
マルパはナロパからの法統をミラレパへとつないだし、達磨はマハカーシャップ以来の法統を慧可を通じて僧燦や慧能などのZenの大輪へと成長させることに成功した。さて、トゥルンパを初めとする現代の「翻訳官」たちの仕事は、今後どのような展開を見せていくのであろうか。
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