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2009/07/17

The Life of Marpa the Translator<4>

<3>よりつづく

Marpa
「The Life of Marpa the Translator」 <4>
Chogyam Trungpa (著) 1995/6/18  出版社: Shambhala; Reissue版 言語 英語, チベット語

 この本の返却期限も近付いてきた。一旦返却しなければならないが、この本は大学の図書館にはいっているので、また借りようと思えばいつでも借りられる。奥さんのジャンルである流行作家の小説などあれば、何百人待ち、なんてざらだが、私のジャンルは、どうやら閑古鳥が鳴いている。蔵書があれば、ほぼ待ちなしで借りることができる。

 最近は横着して、英文を読む時も、辞書を引き引きというスタイルでなくなってしまった。当然、判読できない単語も多くある。しかし、それはもうバリバリと、年齢とともに痛みが目立ってきた自分の歯で、塩せんべいでもかじっているように、心おきなくバリバリとやっている。

 だから、当然、仔細のこまかいところは見逃している。しかし、もうそれでいいのだ。大略がつかめればそれでよし。どうしても避けて通れなければ、その時調べればいい。それに最近は、ネット上の翻訳機能も充実してきている。多少の誤解は、理解の始まり、くらいに大きく構えて、わが英文読書はすすむのでR

 もっともこの本、チベット語の英語表記もだいぶでてくる。普段カタカナとして知っている単語も、英語になるとこのような表記になるのか、と新たな興味も湧いてくる。さいわい、この本の巻末には、チベット語についての用語集もついている。その意味も、日本語で理解するのと、英文的に理解するのとでは、なるほど、こんな違いがあるか、これまた新鮮だ。

 この本は、当然のことながらマルパについて書いてあるので、マルパについてすこし詳しくなった。いままであまり脚光をあびてこなかった(と私は思うが)マルパを、再認識することができた。生きた師をもたずに独覚した天然ヒッピー、ティロパ、大学の教授職をすてて野に下ったドロップ・アウター、ナロパ、百花繚乱に詩を謳いあげたフラワー・チルドレン、ミラレパ。これらの人々も、思えば、かなりひとりひとりのキャラがそうとうに立っている法統ではないか。

 その中にあって、巧みなスピリチュアル・マーケッターをさえイメージさせる、チベット・ビジネスマン、マルパ。どうもいまいち、食えない奴だなぁ、と思っていたのだが、いやいや、とんでもない、いまこそマルパが脚光を浴びる時ではないか、とさえ思えてきた。

 自然と人間をつないだティロパ、生と知をつないだナロパ、ブラックとホワイトをつないだミラレパ、と考えてみれば、インドとチベットをつないだマルパの仕事もそうとうに大きい。教師であり、農業者であり、ビジネスマンであり、夫であり、そして父親だったマルパ。むしろ、meditation in the marketplaceを語るなら、むしろマルパをこそ学ばなければならないのではないか。

 もとより当ブログは「読書感想文ブログ」ではない。本の読書を契機とはしているが、その読書のなかで、読み手である自分からでてくるものを書きとめているにすぎない。対象となった本そのものダイジェストになっていなくたって、多少の理解不足や誤解があったって構うものか。英文はおろか、日本文だって、最初っから、かなりいい加減に読み飛ばしている。時には、以前自分がその本を読んだことを忘れてしまっていたような本さえ存在する。しかし・・・・それでいいのだ。

 だけど、池田晶子言うところの「素直な心」だけは忘れまい。ものごとの本質は、外側にはない。本についてどれほど美しく、正しく、客観的に評価できたとしても、当ブログの到達地点とはいいにくい。ただ、もしひとつひとつのものごと(たとえば本)に立ち向かうに、素直な心で自ら立つことができ、そのプロセスで、さらなる素直な心が再生産されつづけるとしたら、その時こそ、うまく当ブログが回転している、ということになる。

 愛されるべきマルパ。大きな枠組みのなかで、さらに再読される必要がある。

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