Three Pillars of Zen<5>

「Three Pillars of Zen」: Teaching, Practice, and Enlightenment<5>
by Roshi P. Kapleau (Author) February 7, 1980 Publisher: Anchor; Paperback 400 pages Rev. and expanded ed edition Language: English
1965年に初版にでた本であり、日本文化を欧米に紹介するという性格の書類であれば、21世紀の日本に住む現代人が、この本をどう見るかは、自分の視点をどこに据えるか、ということによって、だいぶ違ってくる。期待は大きいが、なんでもかんでも期待しすぎてしまうと、アブハチ取らずになってしまいかねない。
まず、この本のよいところは、日本文化をより具体的に、しかも実在する老師や求道者の名前を出して、ひとつひとつの問答集などを記録していることである。あるいは、ちょっと初歩的過ぎる嫌いはあるが、基本的な座禅の方法などをイラストいりで紹介していることで、実際に座禅まで至らない欧米人であろうと、Zenとはなにか、というイメージをたやすく描くことができるようになる。
その長所は逆にマイナス面にも働き、本来Zenとは日本文化とは直接にはなんの繋がりをもたなくても存在し得るものだ、ということを忘れがちになる。あるいは固定的なZenのイメージが作られてしまい、場合によっては、それが足かせになってしまいかねない。ひとつのイメージができたら、そらにそれをぶち壊すことの大切さを強調することを忘れてはいけない。
Part Oneは「Teaching and Practice」であり、Part Twoは「Enlightenment」。日本においては、Enlightenmentなどという世界は、ほとんど達成できないレアケースでしかあり得ないものであるかのように敬遠される傾向がある。だが、欧米人にとっては、それはまるでプラモデルでもつくるように、マニュアルさえあれば、お手軽に達成できるようなイメージがあるようだ。視点を逆にしてみると、日本人は、ダイレクトにEnlightenmentそのものを自由闊達に討議しあうような雰囲気を失ってしまっているようにも感じる。
Part Threeは「Supplements」。サプリメント、補足が三本柱の一つになるわけはないから、やはり、ここはTeaching、Practice、EnlightenmentをZenの三本柱としているのだな、と察する。それが間違いではないけれど、それでも、やっぱりそれって違う、という感覚がある。つまり、頭だけの理解だけではだめだ、ということだ。
こういうまじめな本もあってこそ、大きなZenの世界が構成されているのだな、と思う。ただ、やっぱりZenは、もっとぶちぬけている。
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