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2009/07/14

Zen Buddhism<2>

<1>よりつづく

Zb   
「Zen Buddhism」 <2>
Christmas Humphries 1999/01 Pilgrims Publishing,India ハードカバー 241p 言語 英語 初版1949年 1961年George Allen & Unwin, London発行の版を読んだ

 この本、実にコンパクトであり、いわゆる現代日本の新書本のような量と質を連想させるところがある。だがよくできており、この一冊あれば、なんだか、Zenが一つ「出来上がる」ようなイメージになる。まるで1/24スケールのプラモデルを作り上げるような感覚だ。これがこれと繋がっており、このパーツとこのパーツを組み合わせれば、こういう構造ができていく。Zen全体を一気に理解するには実に分かりやすい一冊と言える。

 しかし、要所にLive Zenという単語が散見されるように、Zenを新書本やプラモデルのように理解したとしても、それではZenを理解したことにはならない。Zenは生きられなければならない。それはZenをはぐくんだ、仏教や東洋思想、中国文化、日本文化を理解する、という意味でもない。Zenは、それぞれの人生を生きていくなかで花開く必要がある。Oshoに「Live Zen」という本があったことを思い出した。

 この本の最初から、D.T.Suzukiの名前とともにアラン・ワッツの名前が何度も登場する。いかにワッツが20世紀の中盤において、西洋社会のZen理解に貢献したかを、あらためて再認識させられる。

 小森健太朗によれば、アラン・ワッツは四期に分けられると言う。

 アラン・ワッツというのも、生涯転変が激しい人なので、なかなかその全体像をとらえることは困難である。著作家としてアラン・ワッツは、おおまかに次の四期に分けられるだろう。  

1、 牧師、神学者としてスタート。キリスト教学研究で活躍 

2、 キリスト教神秘主義研究に傾斜。アレオパゴスのディオニシウス等の翻訳研究や、ベーメ、エックハルト研究等。  

3、 東洋思想に開眼。禅、ヒンドゥー教などの伝道者となる。(鈴木大拙の訓導も受けたらしい)  

4、 セラピー、精神分析、人間性心理学などの心理方面を研究し、東洋の知恵との融和をさぐる。  

1と2が前期、3と4が後期に大きく分けられ、3と4は、並行しているために、著作書が必ずしも、この時期順に並ぶわけではない。
小森 アラン・ワッツ『タブーの書』の書評

 当ブログにおいては、もちろん3ないし、4の時期のワッツについて関心をもっているわけだが、1や2におけるワッツも見ておきたいと思う。あるいは、4の時期については、「エスリンとアメリカの覚醒」のなかからワッツに関する部分を勝手に「アラン・ワッツ@エサレンとして抜き書きしておいた。ワッツ全体についての理解は、膨大な著書があるので、そうたやすくはないが、進めるとしても、好意的に進む可能性がある。

 さて、クリスマス・ハンフリーのこの「禅仏教」、1949年にでた本でもあり、いかに1947年に日本にやってきた直後に書かれた本だとしても、21世紀の地球人がダイレクトに読んで、ダイレクトに必要とされる本、だとは思えない。時代背景なり、本のキャラクターを考えなくてはいけない。本物のRRファントム2をゲットできないまでも、1/24スケールのプラモデルなら、自分で作れて遊べる、という範囲の理解でしかない。探究者なら、いずれは本物が必要となり、それをゲットする努力が必要となる。

 しかし、それでもなお旅は終わらない。車を手に入れても、それを何に使うのか。その車でどこに行くのか。どこに行かないのか。

 There can be no Zen without satori. For Zen is satori, and all the talk about Zen is only about it. p108

 このへんのアプローチは実にシンプルだ。なんのてらいもなくたんたんと描写される。ものごとはそう簡単ではないのだが、シンプルに描かれれば、ことはシンプルに得られるものだと思いがちである。なにはともあれ、あとはLIVE ZENが必要とされる。

<3>につづく

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48)意識とは何か」カテゴリの記事

コメント

小林さま

ご訪問ありがとうございます。また貴重なご意見ありがとうございます。
基本的には、個人的なひとりごと中心のブログですので、そこのところ、ご理解のうえおつきあいください。
ご紹介のサイト、機会があれば拝見いたします。

投稿: Bhavesh | 2009/07/21 13:59

色々検索しておりまして、

東洋の知恵で検索していたらここにたどり着きました。

とても興味深い記事を書かれていますね。

私の友人ですが、こちらも面白い記事を書いているので、是非遊びに来てくださいね。

http://blog.livedoor.jp/yume2323/

投稿: 小林 哲人 | 2009/07/21 11:05

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