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2009/08/24

地球の法則と選ぶべき未来

地球の法則と選ぶべき未来
「地球の法則と選ぶべき未来」 ドネラ・メドウズ博士からのメッセージ
ドネラ・H.メドウズ /枝広淳子 2009/07 ランダムハウス講談社 単行本 207p
Vol.2 No758★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆

 著者はすでに2002年に亡くなっている。人類の滅亡の可能性と、人間としての自らの死。どちらが本質的で現実的な問題か。間違いなく、人類滅亡の前に、私個人の死はやってくるだろう。人類や地球が絶滅したあとに、私が存在しているということはないだろう。

村の中には、
300人のキリスト教徒がいます(183人がカトリック、84人がプロテスタント、33人がギリシャ正教です)。
175人はイスラム教、
128人はヒンズー教、
55人が仏教、
47人は精霊を信仰しています。
210人はほかの宗教を信じています(無神論者もいます)。
 p9「世界がもし1000人の村だったら」

 このように、地球人をなになに教徒とカウントしてしまうことには、かなり危険な落とし穴があるだろう。私はこの中のどこに分類されるだろう。仏教だろうか、精霊を信仰している、だろうか、あるいは、ほかの宗教? あるいは無神論? 自分の生い立ちや周囲の文化的環境、あるいは共感度から言っても仏教に分類されることが一番納得感があるだろうか。

 とするなら、私は55/1000の5.5%のグループに分けられることになる。決して小さなグループではないが、必ずしも決定的にメジャーとは言いにくい。

村人同士が話をするのもけっこう大変です。というのも、
165人は中国語を話し、
86人は英語を話し、
83人はヒンディー語またはウルドゥー語を話し、
64人はスペイン語を
58人はロシア語を、
37人はアラビア語を話すからです。

ここに挙げた母国語を話す村人は、全体のたった半数に過ぎません。残りの村人たちが話す言葉は、(多い順に)ベンガル語、ポルトガル語、インドネシア語、日本語、ドイツ語、フランス語と、そしてその他にも200言語もあるのです。 p8「世界がもし1000人の村だったら」

 ひとことで中国語と括ることはできないだろうけれど、これはこれで相当にメジャーだ。16.5%。英語は世界の共通語的な場所にいるが、実際は、母国語として話している地球人は1割に満たない。

28人が生まれ10人が亡くなるので、村の人口は翌年には1018人になるでしょう。
この1000人の共同体では、200人が村全体の収入の4分の3を手に入れます。その一方、村全体の収入をわずか2%を分け合う200人もいます。
自動車を持っているのは70人だけです(その中には、2台以上持っている人もいます)。
およそ3分の1の人は、きれいで安全な飲み水が
手に入りません。
村の大人670人のうち、半数は字が読めません。
 p11「世界がもし1000人の村だったら」

 28人が生まれ10人が亡くなるので、村の人口は翌年には1018人になるでしょう、というところは素直に驚く。毎年1.8%の人口が爆発的に増加していく。「80対20の法則」では、20%の人が80%の利益を独占するということだったが、ここでもまさにほぼ同様の内容が主張されている。

 自動車を持っているのは7%。4人家族に平均で1台とすれば、最高でも25%。驚くほどの低さでもないが、自動車を持たない、持てない人がいることも想像しておく必要はある。たしかに、奥さん用ではあったが、名義上2台の車を持っていたこともあったから、この面から考えれば、地球人としては私は決して弱者側ではない。

 生まれてこのかた、きれいで安全な水が手に入らなかった、ということはない。母方の祖父の家では、豊富な水で和紙を製造していたし、父方の井戸も汲めどもつきぬ水量で、酒造会社がタンクローリーで水を汲みに来ていた。

 字も読める。大体の日本語と、少しの漢語と、すこしの英語。でも大人のうちの半数が字を読めないなんてこと、考えてみることもなかった。

 「世界がもし1000人の村だったら」は、データ的に問題がありそうだな、と思ったり、その取り上げる角度がちょっと変だぞ、と思わないわけではないが、このような形で概観することは、とても大切だと思う。すくなくとも、自らが置かれている立場がいかに恵まれているか、を再認識する必要がある。

 世界がもし1000人の村だったら、5人の兵士、7人の教師、1人の医者がいます。村の歳出総額およそ300万ドル強のうち、18万1000ドルは武器や戦争に、15万9000ドルは教育に、13万2000ドルは医療に使われています。 p12

 教育や医療は絶対に必要だが、武器や戦争にかかる費用は、もうすこし減らすことができないのだろうか。兵士も1000人に5人。正直いうと、意外と少ない気もするし、兵士がまったくいなくなる世界というのも非現実的なことだろう。しかし、それが増え続けていくのではまずいと思う。オバマの「非核」宣言を、うつろな実行不能な虚言にしてはならない。

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