地球最後の世代
「地球最後の世代」 自然が人類に報復しはじめた
フレッド・ピアース /小林由香利 2009/06 日本放送出版協会 単行本 363p
Vol.2 No768★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆
私自身が地球上の最後の人間になることはないであろうし、私たちが地球最後の世代になることはないだろう。確実にそうだ、と言うことはできないが、ほぼ間違いなく確実に限りなくそう言える。だが、その危険性は限りなく迫っている。あるいは、その危険性が限りなく迫っている、と考えてみることは、通常、怠惰に流れてしまう日々を送っている私のような人間にとっては、物事の本質を見極めるには、とても有効であろう。
温暖化に懐疑的だった著者が、世界じゅうの科学者を訪ね歩き、眼の当たりにした地球---それは、一刻の猶予もならぬ危機的状態だった。いますぐ食い止めないと、地球は転換点(ティッピング・ポイント)を超えてしまうだろう。
・・・・私たちは、穏やかな気候の地球に生きる最後の世代になるかもしれない。表紙見返し
1951年生まれ。ロンドン在住のジャーナリストで、2001年イギリスの年間最優秀環境ジャーナリスト賞を受賞したという。「ニューサイエンティスト」誌の編集長でもあったという著者のレポートは、ひとつひとつが実際の現象を取材しており、科学的(なんだと思う)な考察が加えられている。
本書のタイトルを「地球最後の世代(The Last Generation)」としたのは、人類が絶滅寸前だと考えているからではなく、安定した気候に近い状態のなかで生きていける最後の世代であることはほぼまちがいないからだ。p340「結論 もうひとつの地球」
ひとつひとつの事象にはコメントし続けることはできないが、地球環境の変化、というなら、いたるところに見つけることができる。そして危機感を叫ぶ声はあらゆるところから聞こえてくる。だが、解決策となると、なかなか具体的な良案は少ない。
みんながやるなら私もやります、というだけでは、本当の解決さくにはならないだろう。G20の中で、20分の1の責任だけを負う、ということではなく、誰もが、1分の1、として、自分の生き方のなかで、アースコンシャスな生き方を選びつづけていくことが大切なはずだ。
過去には、私たちは何かまちがったことをして環境を破壊しても、杖を手にしてどこかよそへ行くことができた。移住はつねに人類最大の生き残り戦略だった。今ではもうほかに行くところがない。新たなフロンティアは存在しない。大気はひとつだけ、地球はひとつだけだ。p344
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