モッタイナイで地球は緑になる
「モッタイナイで地球は緑になる」
ワンガリ・マータイ /福岡伸一 2005/06 木楽舎 単行本 279p
Vol.2 No767 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★
CO2を減らすには、単に排出を制限するだけではなく、緑を増やせば、CO2が減るのだ。ワンガリ・マータイさん、ケニアのグリーンベルト運動で2004年度のノーベル平和賞を贈られた。このような実践の人には、どんなことを言っても歯が立たない。絶対の説得力の前にひれ伏すしかない。
しかし、それにしても、先進地域でたくさんのCO2が排出され、発展途上地域でこのような活動が行われている、ということに、いささかならず後ろめたい気分になる。1990年比で25%のCO2削減、などという目標は、どこか机上の御託にすぎないのではないか、と気色ばんでしまう。
世界に平和をもたらすただ一つの方法は環境を守っていくことです。見の回りの環境を育み、資源を責任ある方法で、持続可能に、平等に管理していくことが求められているのではないかと思います。ワンガリ・マータイ p266
政治家たちが語る環境問題は、どこか国際的なゲームに陥ってしまっており、お互いの駆け引きで、地球の存続をもてあそんでいるかのようだ。本当の心から地球環境に危機感を持って、それに対する的確な施策が必要になっているはずなのだが。
今回は「もったいない」という言葉にも出会いました。ごみを減らす、限られた資源を繰り返し使う、リサイクルするということが、まさに「もったいない」の真髄だと思うんですが、これを日本発の国際的なキャンペーンにしていくことができるんじゃないかと思います。資源を効率的に、責任ある方法で管理し、将来の世代に受け継いでいく。「もったいない」を、一人ひとりが実践すれば大きな力になるはずです。私はこれから世界へ向け、この言葉を発信していくつもりです。ワンガリ・マータイp268
もったいない、という言葉を心から言える日本人はどれほど残っているだろうか。このような言葉があったことすら知らないで育ってしまった世代もあるに違いない。なにはともあれ、1/1の一人の人間として、いのちあるものを十分生かし、自らのいのちも十分生かされていく生き方が求められている。
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