大いなる挑戦-黄金の未来 Osho<2> ひとつの世界政府
<1>よりつづく
「大いなる挑戦-黄金の未来」 <2>
Osho 1988/1 OEJ 単行本 128p
ひとつの世界政府
『ひとつの世界政府』は、国際連盟によって第二次世界大戦の前に試みられたが、成功しえなかった。それはただの討論クラブだった。第二次世界大戦は、国際連盟のまさにその信頼性を破壊した。しかし、まだ必要性があったために、彼らは国際連合、国連を作らねばならなかった。しかし国連は、国際連盟と同じように失敗だった。またしてもそれは、何の政治力も持たない討論クラブにとどまった。それは何ひとつ実行できない。ただの公式討論クラブにすぎない。
それを簡単に成功させるには、世界政府にすることだ。すべての国々は、世界政府に軍隊と兵器を引き渡すべきだ。むろん、政府がひとつしか存在しなければ、軍隊も兵器も必要ではない。いったい誰と戦争をしようというのか?
いまでは大国、列強はすべて核兵器で装備されており、その量たるや、もし私たちが望むなら、今でも70個の地球を破壊することができるくらいだ。それだけの核の力をすでに手を入れている。地上の人間を70回皆殺しできる力だ。私たちはまた、地球上のありとあらゆる生物を5000回殺せるだけの毒ガスを持っている。そんなには必要ない。一度で充分だ。しかし、政治家たちはそれを確実にしておきたい。彼らの顔はみんな仮面だ。彼らの言うことと、実際にすることは違う。
政治家たちは基本的には、その深層で、無能なのだ。それゆえの権力への衝動だ。彼らは自分の弱さを、劣等生を、無力を感じる。彼らは、自分が何者でもないことを知っている。だが、もし彼らが凡庸な大衆に、自分が彼らの要求を満たしてやると説得できたら、それはひとつの相互理解に、取引になる。そこで、大衆は彼らに権力を与える。そして、いったん権力を手に入れると、彼らは約束したことのすべてを忘れる。実際、けっしてそんなつもりはなかったのだ。いったん権力を握ったら、彼らの本当の顔が見える。
政治家とは、エゴイスト以外の何者でもない。内奥では、彼らは劣等感を感じている。そして、その劣等感を恐れているのだ。彼は何者かでありたい。そうすれば、自分の劣等感を忘れることができるからだ。権力は彼にその機会を与える。何百人という人々が、自分の言いなりになるのを見ることができる。自分はただの人ではない、特別な人間だと、自分を納得させることができる。そして、彼はそんなふうにふるまい始める。彼は権力を誤用し始める。いったん権力を持つと、彼はけっしてそれを手放そうとはしない。権力なしでは、自分の空しさに、劣等感に、無能力さに直面しなければならなくなることを、彼は無意識のうちによく知っているからだ。
そして、権力はそんな人たちの手に握られている。どこかの頭のおかしい人間がボタンを押し、全人類を、地上の全生命を、終りにすることもありえるのだ。
国際連合は、形式的な組織から本物の世界政府に転換されなければならない。そして、すべての国々はその軍隊や兵器を引き渡すべきだ。そうすれば、軍事技術を創造的な目的のために使う方法を見い出すことができるだろう。そして軍隊から、何百万という人びとがそのような創造的な仕事のために解放され、各国の政府がすべてその権力のなかに掌握していた科学者たちが、国際連合のもとで、ひとつの統一体になるだろう。
現存している国々の首相たちは、世界政府のメンバーになり、そして世界政府に参加した国々の首相たちは、機能的にその仕事を続けることになる。彼らは、いかなる実際的な権力も持つことはない。誰かがほかの誰かを侵略するというような問題は起こらないからだ。彼らは、ただ自国の鉄道を走らせたり、郵便局を運営したり、そんなことをするだけだ。
いくつかの国が、世界政府に参加しないという可能性がある。そういうときは、あたかもその人たちが存在しないかのように、完全にボイコットされなければならない。その人たちとはどんな関係も、どんなコミュニケーションも取るべきではない。なぜなら、その人たちを参加させるにはそれしかないからだ。また、その人たちは世界政府に対立して存続することはできない。その人たちは降参しなければならないだろう。いさぎよく降参した方がいい。そうして、その人たちは自分の政府を持つ。国内の事件に対処するための国内部隊、国内警備隊を持つことになるだろう。しかし、核兵器を造る工場や、不必要な人殺しの訓練に従事する何百人という人びとを抱えることはないだろう。
世界政府のメンバーは、世界大統領を選ぶ。しかし、世界大統領は、世界政府のメンバーからではなく、外部から選ばれる。そして、ひとつだけ彼に関して完全にはっきりさせておかなければならないことは、彼は政治家ではないということだ。彼は詩人でも絵描きでも神秘家でも舞踏家でもよいが、政治家ではない。それ以外なら何であってもよい。そのようにして、過去における責め苦のすべてであった政治権力を、私たちは滅ぼすことになるだろう。
いくつかの国が拒否権を持つような、今の国連の在り方は、解消されなければならない。それはまたしても権力闘争(パワートリップ)だ。そしてこれが、多くの問題の原因になってきた。たったひとつの政府が世界全体のために何かの拒否権を持つというそのことが。その代わりに、それぞれの国の大統領が、そのその大学入学資格者や高校卒業者の人口に応じて投票権を持つことになる。
これは世界の権力構造全体を変えるだろう。そうなれば、細かいことはごく簡単に解決できる。 OSHO (p22~p24)
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