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2009/10/06

日本列島快走論 高速道路を無料にして日本再生へ

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「日本列島快走論」 高速道路を無料にして日本再生へ
山崎 養世 2003/9 NHK出版 単行本  256P
Vol.2 No773★★★★★ ★★★★★ ★★★☆☆ 

 私の経歴をご覧になった読者の中には、「金融マンだった山﨑が、なぜ『高速道路無料化』を考えついたのか」と疑問に思われた方もいるでしょう。p224

 たしかに先日、著者の近著「環東京湾構想」を読んだ時に、ゴールドマン・サックス投信代表取締役社長だった人が、このような構想を練ること自体、なんだか眉唾ものだなぁ、と感じた。その後、徳島県知事選挙に立候補した経緯なども、どうもいまひとつ怪しい、なんて思ってしまった。

 しかし、そのような疑念は、この本を読む限り、かなりの部分が払拭されてしまった。1958年生まれの著者が45歳の時、2003年に出したこの本は限りなく突拍子もないような感じがして、当時の私がこの本を読んだら、なにを夢みたいなことを、と一笑してしまったに違いない。

 ところが、この本の内容は限りなく信憑性があったということになるだろう。その証拠に、民主党が高速道路無料化をマニュフェストの重要な位置に加え、あの自民党でさえ、二年間の暫定であるとは言え、ETC1000円の旅を実現させた。民主党に政権が交代した現在、限りなく「高速道路無料化」は現実化へのプロセスのなかにある。

 「高速道路無料化」は法律改正が不可欠なので、国政選挙でのマニュフェストの対象になります。「高速道路無料化」をマニュフェストに掲げる政党が政権を取れば、その確実な遂行が求められるので、無料化は実現に向けて大きく前進します。自治体レベルでは、「高速道路無料化」と堂に始まる自治体主導による道路建設と街づくりがマニュフェストとしての恰好の分野になります。なぜなら、自治体の首長が道路建設の自主財源と権限をもち、首長が打ち出す道路政策が地域の生活と経済、環境に直結するからです。p219

 2003年と言えば、まだ小泉旋風が吹き荒れている頃の話。民主党政権の実現など、まったく可能性がなくなったと私などは、すっかり白けていた。それに比して、2009年の今、限りなく高速道路無料化は現実化しているが、それでも、世論はまだまだ反対論も多いようだ。

 マスメディアもまだまだこの高速道路無料化についての、きっちりした哲学なりを伝えてはいないのではないか。このプロジェクトのフロンティアがこの著者なのかどうは知らないが、少なくとも、今こそこの「日本列島快走論」は広く読まれる必要があるのではないだろうか。

 この本はたしかに、絵に描いた餅なので、実際に社会実験を繰り返していけば、ここに書いてあるように、おいしいことばかりではないだろうが、全体から伝わってくる雰囲気はよい。反対論者たちの意見もしっかり聞いては見たいが、とにかく、わたしはこの意見に賛成だ。民主党は実際にこの山﨑養世の論理を借りているのだろうか。なにはともあれ、現実化する過程においては、著者は今後もっともっとマスメディアに登場してくることになるのだろう。

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