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2009/11/12

民主党政権 鳩山民主、新政権運営シナリオとその舞台裏

民主党政権
「民主党政権」 鳩山民主、新政権運営シナリオとその舞台裏
大下 英治 (著) 2009/8/28 ベストセラーズ 単行本: 304p
Vol.2 No823 ★★★★☆ ★★★★★ ★★☆☆☆

 う~~ん、残念ながら、この本はとても面白い。まがりなりにも当ブログは「スピリット」を表題に掲げるブログである。政治の権力闘争についての与太話など、ながながと目を通していていいのか。いくら、偶然に図書館の新着本コーナーにこの本があったからと言って、すぐ手をだしてしまうのは、不節操と言えるのではないか。そう思いながら、読み進めてみたのだが・・。

 大下英治。350冊以上の著書を持つ、元「週刊文春」のトップ屋である。話がうまい。実際に面談しインタビューした記事が元になっているので、リアリティもあり、構成もしっかりしている。発行は2009/09となっているが、店頭に並んだのは8月28日だ。まさに歴史的な「政権交代」劇となる総選挙のごくごく直前であった。

 だから、この本には選挙当日のことや選挙の結果についてなど書いていない。そこまでのプロセスがこまかく書いてあるだけだ。しかし、これがなんとも面白い。マスメディアを通じて、大体のところは知らされているところだが、裏の裏がなかなか分からない。その辺が、この本では、なるほど、実はこうであったか、と納得させられるところが、次々でてくる。

 まるで小説かドラマだ。草食系男子に飽きて、歴史的武将と遊ぶ若い女性が流行り、歴女と呼ばれるそうだが、あんな手垢にまみれたフィクションをたしなむより、このような生きた歴史を遊んだ方が、よっぽど楽しいのではないか。少なくとも、この本は、おっさん方だけが読むべき本ではない。歴女こそ読むべき本であり、彼女たちが好むと思われる肉食系男子達が、現在進行形で闊歩する。

 当ブログは、自前の「プロジェクトG・O・D」なるものをベースに進行している。いわゆるプラットフォームづくりをしているところだが、その中でも「O」にはOshoとオバマの意味を込めている。Oshoについては、これはしかたない。私のマスターであるかぎり、どこかで、このニュアンスをいれておかなくてはならない。それとオバマは、なんと言っても旬であろう。

 しかし、私は、この「O」の中に、本当は「小沢一郎」の「O」も入れるべきではないか、と思い始めてしまった(笑)。いや、笑いごとではない。毎回明記しないまでも、小沢の「O」は、せめて「(O)」くらいにして、括弧のなかに入れて隠し味としてでも、いれて置く必要があるのではないか、と思い始めた。

 政権交代、二大政党、55年体制の終焉、などなど言われて、そのスローガンのもとで行動した政治家も多い。しかし現実のもっとも現実の世界である「政治」の中で、少なくとも日本の政治の今日的状況を生みだした最大の役者は、やはりこの括弧つきの「(O)」であることは間違いない。同じ「O」でも、岡田の「O」では、まだまだ器が小さいと言える。いや鳩山の「H」や、菅の「K」でも太刀打ちはできない。

小沢 (前略) 農業は、まずは自給体制を作る。いまの反別で食料自給率は100%近くにできる。ただいま市場にあるものを全部作るという意味ではないですよ。厚生労働省の発表によると、日本人が健康で活動できる一日の最低平均カロリーは、2000キロカロリーだという。2000キロカロリーを人口と365日にかければ一年間に必要なカロリーが出てくる。いまある反別で主要穀物を作れば十分に生産量をまかなえる。日本は米だけ研究してきたから麦や大豆の収穫量は欧米の半分しかない。麦や大豆を欧米並み、もしくはそれ以上の収穫量にすればいい。

 ただ、採算が取れるからといって若い人たちが急に農業をやってくれるとは思わない。若い人は百姓など最初からするわけがない。ぼくは、いつも後援会で「あなたがたは、若い人に百姓をしろと言うから駄目なんだ」と言っている。そうではなくて、地方分権によって地元に雇用の場を作ればいいんだよ。若いときは、サラリーマンをし、歳をとったら百姓をすればいい。

 若い人が家から雇用の場に通えるということが大事なんだ。地方に雇用の場がないから東京に出てしまう。実家から職場に通えるような地域社会を作ればいい。そうすれば、何も農業だけで食っていく必要はないでしょう。

 それができないというのは、中央集権になってしまっているからだ。だから、東京に人も権力も金も集中してしまう。国から地方へ税源移譲をするべきだとよく言われるけども、いま税源移譲されたって、ぼくの地元の岩手県なんか全然集まらないよ。だから、しばらくは国で一括して集めて再配分する。地方の活性化が軌道に乗ってきたら税源も渡せばいい。(後略)p31

 最近、「いつまでもデブと思うなよ」を読んだばかりの当ブログは、一日2000キロカロリー、という話には、相当なリアリティを持って反応する。年齢や性別、体格によって違いはあるだろうが、ダイエットの本などを読むと、大体は一日1600キロカロリー程度の数字を推薦している。かつて117キロあった岡田斗司夫などは、一日1500キロカロリーを目標にしたという。なるほど、2000カロリーが平均であれば、日本のメタボ層もそうとう減るのではないか、と、我が下腹部を見ながら、そう思う。

 作ったコメは、どこに出荷する必要もなく、コメ農家と養鶏家が直取引すればいい。
 何よりのメリットは、アメリカからトウモロコシを買わずにすむことである。そうすれば日本の自給率はポンとはね上がる。
 ただし、農林水産省は一人一日当たりの摂取量は2600キロカロりーで計算している。これを実際に摂取量である2000キロカロリーに計算し直すと、自給率は39%から70%となる。
 もし、トウモロコシを輸入せずに、国内でコメを生産するとなれば、自給率は80%、90%になる。実際の摂取カロリーで計算すれば、自給率を100%にすることも不可能ではない。
p246(養鶏業者の話から・・)

 なるほど、統計や数字には、さまざまなカラクリがある。まんまとしてやられていることはかなりありそうだ。少なくとも2600キロカロリーを2000キロカロリーとして計算し直せば、なんと23%の誤差が修正されるのである。

 「食料自給率100%を目ざさない国に未来はない」を読む限り、この食料自給率の計算も、実は簡単なことではない。このほかにもさまざまな計算方法があり、一概に上の話を鵜呑みにはできないが、それでも、いたづらにペシミステッィクになるばかりが人生ではない。

 ダムにせよ、オキナワにせよ、高速道路の無料化にせよ、子ども手当にせよ、なにはともあれ、とにかくその政策の実際を見てみないことには判断はつかない。しかし、手はある。絶望ばかりしていてはいけない、そう思わせてくれただけでも、この本の価値はある。そして、明日、来日するオバマと共に、(O)の小沢も含め、民主党政権をも、今後とも、直視し続ける必要を強く感じる。

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46)地球人として生きる」カテゴリの記事

コメント

sopan
もともと社民党に近かった喜納昌吉が、あちこちから出馬を要請された時、とにかく全ての党からの話を聞いて、その中でもやっぱり小沢が一番だったと。そして民主党から出馬した。
それだけ魅力のある存在ではあるのだろうけれど、社民党からオマケみたいに当選して、「国会の質問王」の異名をとり、堂々の存在感を示した保坂展人などに比べれば、喜納の5年間は、民主党の「多数」のなかに埋没してしまって、オキナワ人ならざる私には、その活躍はほとんどなにも分からなかった。
私は小沢は基本的に嫌いです。しかし、今回のような状況に持ってくるまでに、小沢なくして出来なかったことがたくさんある、そのことは認めざるを得ないと思います。
100点満点の人間なんていないのだから、是々非々で、小沢の素晴らしい点を数え上げるようにすれば、もっと彼の実態が見えるのかもしれません。
上にいろいろ挙げてくれた書物については、ほとんど目を通していませんので、機会があったら、めくってみたいと思います。Thanks!

投稿: Bhavesh | 2009/11/14 20:45

先日、小沢一郎が仏教界の長老に
「キリスト教は一神教なので不寛容だ」みたいなことを言ったそうですが、安倍晋三の従軍慰安婦問題の発言のときみたいに「ああ、やっちまったか」と思いました。
小沢さんは少なからず評価してるんですが、やはりパワーポリティクスの世界の人みたいですね。
この発言の底流として、環境考古学者の安田義憲のアニミズム論があるのかな、などと思いました。安田が20年くらい前にNHKの市民大学講座にでていたときは、大いに評価していたのですが、あれは欧米の学会の受け売りだったのかもしれません。
というのも、ブックオフで買った安田著『一神教の闇』というのを読んで、やっぱり100円の価値しかないと思いました。アニミズム対一神教という対立軸で語っているんですよね。「やっぱり一神教はダメだ、アニミズム日本バンザイ」みたいな……。
そこへ行くと、友人に紹介された文化人類学者の岩田慶治のアニミズム論はすばらしいです(読んだのは『死をふくむ風景』)。彼は山田無門老師などとも親交があった人で、道元の正法眼蔵にも造詣が深いようです。薄っぺらな二元論(対立図式)を超えた不二一元を追求しているようです。
歴史学者の谷川健一もアニミズム論を展開しますが、悪くはないけど、情報過多で、いまいち深みに欠ける。

投稿: sopan | 2009/11/14 09:41

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