« 書くだけで30kgやせました | トップページ | クヌルプ ヘッセ »

2009/12/03

オバマは何を変えるか<2>

<1>よりつづく

オバマは何を変えるか (岩波新書)
「オバマは何を変えるか」 <2>
砂田 一郎 (著) 2009/10 岩波書店 新書: 223p

 今年も押し迫ること一ヵ月足らずとなった。なにかと一年間の総括を迫られる季節になったが、当ブログでも、この一年間のソーカツをいろいろな角度から試みている。楽天ブログにおいてはあまりできなかったアクセスログ解析が、こちらのniftyとgoogle併用で、万全とは言えないが、かなり成果が上がっている。

 その中でもかなり驚いているのが、この「オバマは何を変えるか」へのアクセス数の多さだ。この新書本について触れたのは一回きりだったし、それほど気のきいたことも書いてはいない。内容の濃い本なのに、その内容そのものにも触れていない。

 しかもだ、当ブログは、おっとり刀で、遅ればせながら、他のオバマ関連本にも複数触れている。にも関わらず、なぜか、このところ、オバマ本と言えば、この本へのアクセスが集中している。

 その理由はいくつかある。ひとつは、この本がひょっとすると、かなり人気の高い本で、検索自体の数が多く、そのおこぼれが当ブログにもやってくる、ということ。それはあり得る。ましてや、この本はオバマ本としては、最新刊ということになる。

 しかし、逆に、この本はあまり人気がない、ということも、当ブログへのアクセスが増えている原因にもなり得る。というのは、その検索リンク元はほとんどがgoogleなのだが、見てみると、なんと、この本のタイトルでは、当ブログが第3番目にランクされている。1位と2位はamazonあるのは当然としても、ランクアップするような他のサイトが少ないのかもしれない。そう考えてみると、当ブログが上位に来ることもあり得ることになる。

 いずれにせよ、これは検索サイトの「いたずら」による結果であると言える。少なくともそこに原因は求めることができる。もともと、この記事を書いたときも大した思いで書いたわけではなかったし、その証拠に、一週間ほどは、ほとんどアクセスがなかった。

 にもかかわずその後に知りあがりにアクセス数が増えたということは、この検索サイトのランクがあがったことによるところが大いに考えられる。そして、アクセスが増えれば、さらにランク上位にとどまる可能性が高くなるという「悪」循環(笑)が続いているのだろうと思う。

 そんなわけで、もう一度、この本を借り出して眺めているところだが、このタイトルそのものには相当に興味を持つが、各論的には、当ブログでこまかく追いかけていくような代物ではにないと考えている。AIGにせよ、保険にせよ、議会にせよ、さまざまな「難」問題を解くのは、オバマ本人があたればいいだろうし、アメリカ国民の問題であることも多いからだ。

 しかし、そう言いつつも、気になることが一つある。それは「オバマは何を変えるか」というタイトルの中に、どこか高みの見物的な、我関せず的な、無責任な野次馬根性が見えているとすれば、それは由々しき問題になりかねないと思う。

 オバマの「Change」は、たしか「Yes We Can」であったはずだ。「変える」のは「私たち」なはずなのだ。本来であれば、この本のタイトルは「私たちは何を変えるか」にならなければならなかったはずだ。もっとも、この本を書いているのは、アメリカ政治を専門とはしているものの、アメリカ国民ならぬ、日本人学者である。「We」の中に入っているかどうかさえ、あやしい領域だが、しかし、オバマひとりに「期待」するような風潮があるとすれば、それは再考しなければならない重要な課題であると思える。

 最近、アフガニスタンへの増兵を発表したばかりのオバマであるが、その決断は、決してオバマひとりで行われているわけではない。さまざまな潮流のバランスの上で、象徴的にオバマがそのような発表をしているに違いないのだ。

 私たちは、どのような世界を望むのか。私たちには、何ができるのか。それが地域的なことや、国内的なことにとどまる場合もあるだろうし、国際的に協調しながら、世界中のひとりひとりが行わなければならないこともたくさんある。1人の地球人として、「私は何を変えるのか」、「変えたい」のか、そこを明確にする必要がある。

 もちろん、この地球上における、表面上のもっとも強大な権力は、アメリカ大統領であろう。そのポジションにあるバラク・オバマは、希望してそのポジションについた限り、その任務を全うしなければならないし、その決断の結果についても十分に責任をとる必要がある。

 しかし、そのこととは別に、地球上における私たちひとりひとりも、それ相応の「任務」と「責任」を感じ取る必要がある。いや、民主主義を標榜する政治の形態ならば、むしろ、「私たち」がその方向性を決定し、実務的なところは、担当者に任せる、という態度をとる必要がある。

 「オバマは何を変えるか」というキーワードで検索数が増えることは、最初は嬉しかったが、だんだん不思議に思いだし、今では、もっと毛色の違った言葉、つまり「私たちは何を変えるか」というキーワードで当ブログへのアクセスが増えることを願うようになった。

 もちろん、そのためには、当ブログ自体が「何を変えるのか」、「何を変えたいのか」、明確に、具体的に、相互的に、示していく必要がある。

 

|

« 書くだけで30kgやせました | トップページ | クヌルプ ヘッセ »

46)地球人として生きる」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: オバマは何を変えるか<2>:

« 書くだけで30kgやせました | トップページ | クヌルプ ヘッセ »