村上春樹スタディーズ (05)
「村上春樹スタディーズ(05)」
栗坪 良樹, 柘植 光彦 1999/10 若草書房 292p
Vol.2 943★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆
「2000-2004」をちらっとめくったところだが、本来は「2005-2007」を読みたかったのだった。しかし、こちらの「05」もなかなか興味深い。本来は「01」から順番に読みたいので、今回はパラパラと風を感じた程度で、割愛しておく。何人かの興味深い評者の名前があるが、とくに村上知彦氏の名前もあったので、ここだけ読んだ。
氏のことは中沢新一の「網野善彦を継ぐ。」を読んでいたときに、ポロっと思い出したので、メモしておいた。ご尊父村上三郎氏についても、このスタディーズの中にでてくるので、興味深く読んだ。
タイトルが「未だ死ねないでいる『神戸』のために」ということなので、このスタディーズがでたのも1999年だし、1995年の阪神淡路大震災にかかわる話かなと思ったが、実はすでに1990年の「思想の科学」に掲載された文章であった。
エッセイ集「村上朝日堂の逆襲」のなかでも「僕自身は知りあいの多い土地というのがあまり好きではないので戻って住もうという気はさらさらない」とハッキリ言っている。村上春樹にとっては「神戸」もまた、いや「神戸」こそが、埋葬すべき死者なのだ。p210 村上知彦「未だ死ねないでいる『神戸』のために」
パラレルワールド「1Q95」を考える意味でも、「神戸」、はあらたなる重要なキーワードであったか、と、再確認。
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