村上春樹の『1Q84』を読み解く <2>
「村上春樹の『1Q84』を読み解く」 <2>
村上春樹研究会 2009/07 データハウス 単行本 217p
村上春樹の長編をひととおりめくり終わったところで、話の原点を「1Q84」に戻したい。時間軸としての村上作品を時系列にならべ、今度は空間軸として解説や研究、翻訳者やらジャーナリストたちの、現在的な意見を聞いてみたい。
そのような原点もどったとき、この「研究会」の一冊は大いに役立ってくれる。また、ひととおり長編をめくり終わってみればこそ、この本が語っていた意味あいがわかってくるということも、かなり多い。この本には「村上春樹をもっと知るための7冊」p76が紹介されている。
「村上春樹をもっと知るための7冊」
1)「『村上春樹』が好き!」2003 宝島社
2)「イエローページ 村上春樹 part2」加納典洋2004
3)「これだけは、村上さんに言っておこう」2006 朝日新聞社
4)「村上春樹ワンダーランド」宮脇俊文 2006 いそっぷ社
5)「村上春樹、夏目漱石と出会う」半田淳子 2007 若草書房
6)「村上春樹スタディーズ 2005-2007」今井清人 2008 若草書房
7)「世界は村上春樹をどう読むか」国際交流基金 2009 文芸春秋
このうち何冊かはすでに読んでいるが、検索してみるといろいろあるもんだ。これらの本も最新刊「1Q84」を含んでいないだけ、決定版ということにはならないようだが、「1Q84」自体がまだ完結していないことを考えれば、これからまだまだこの手の解説本、研究書がでてくることになるだろう。
はて、それらの中のどれほどのものがクラウドソーシングとしての「ハルキワールド」形成の礎になってくれているのかわからないが、まずは、視点を時間軸から空間軸へと移動すべき時期がきたようだ。
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