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2010/02/20

こころの生態系<3>

<2>よりつづく
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「こころの生態系」日本と日本人、再生の条件 <3>
河合 隼雄 (著), 中沢 新一 (著), 小林 康夫 (著), 田坂 広志 (著) 2000/10 講談社 単行本: 220p

 この本は極めてまじめな本で、幸か不幸か、当ブログは出版されてから10年が経過した時点で読んだわけだが、それでも内容的には、ためになることが多い。難があるとすれば、この本が出版されたあとに、たとえば9.11という大事件とか、あるいはグーグルゾンとか言われるようなネット状況の激変が起きている、というところだろう。

 あるいは日米の政権交代なども現在の日常生活においては、かなり影響してきているわけだが、それらの変化を織り込んでいない、というところが、残念ではある。まぁ、だからこそ、それらを踏まえた上で、中沢は近刊「思想家 河合隼雄」で、どのような展開をするだろうか、という楽しみが増えるということにもなる。

 この本をめくって感じるところはいろいろあったが、あえて引用しないでおこう。もともと当ブログは書評ブログでもなければ、あらすじを書いておくために書いておくわけでもない。むしろ、本よりも、読んだ自分のなかからでてきたものをメモするために始めたブログだった。

 で、今回この本をめくっていて自らのなかから湧いてきたキーワードは「29歳」、「カウンセラー」、「往相」の三つ。「意識をめぐる読書ブログ」というテーマの中の「意識」に関わる印象である。

 まず、この本は、シンポジウムでの対談などが底本となっているが、どんな人たちが聴衆として座っていたのだろうか、と気になる。本の中には、最初から15歳の子供たちをターゲットに書いてある本もあるし、とくに若い女性の視線だけを意識している場合もある。あるは、大学の教授なんかの本などに多いのは、さも20歳前後の自分の学生に向かって語りかけている口調のものもある。

 それはそれで構わないのだが、当ブログは敢えて今「事業仕分け」ならぬ、カテゴリ仕分けを進行中である。ちょっとターゲットを絞り込んでいきたいと思う。そこで、年齢的にいえば、29歳あたりをターゲットとしているものを選んで行きたいと思う。

 理由はいくつかある。さまざまなネット上の利用状況をみると、年齢別の折れ線グラフを見ると、だいたい28~31歳程度のところが一番ピークとして頂点を形成している。もちろん5歳以下とか10歳以下なんていうのは限りなく少ないが、たとえば50歳代なんて、40歳以上~なんてカテゴリに放り込まれることも多い。

 もちろん70歳でも80歳でも、ネットの利用者はいるのだが、絶対数では圧倒的に少数派だ。そうしてみると、29歳というのは、一番オーソドックスなネット上の人格年齢ということになる。

 さらには、たとえば「1Q84」の主人公、天吾と青豆も29歳だった。グローバルなポピュラリティを得ようとすると、この年齢の設定はかなり適していると言える。そのほか、たとえばシッダルタが出家したり、道元が中国に行ったり、キリストが世に出たり、日蓮が佐渡に向かって決意したりと、ひとつの人生の中では29歳というのは、大きな分水嶺となる可能性がある。それなりにこだわりがある年齢層である。

 別に29歳以下を相手にしているものは読まないとか、老人向けだとか、若い女性向けにターゲットを絞り込んだものは読まないというわけではないのだが、ひとつのメルクマールとして、この年齢を基準としてチェックしておきたい。

 それと関連するのだが、いわゆる「往相」と「還相」の一対の言葉のなかから、あえて、「往相」に重きを置いて行きたい。ひとつの円相が完成してこその精神的旅ではあるが、あまりこじんまりとまとまることにこだわるは止めようと思う。つまり、この本もそうであったが、なにか学問的な成果を利用しようとか、なになにのためになるとか、そういうことは、とくに「意識」の成長過程においては、あんまり考えるのは止めようと思う。むしろ「往く」ことに注目しよう。

 そして、気になったのがカウンセラーという「職業」。精神分析家、心理職、セラピスト、臨床心理士、コンサルタント、などなど何でもいいが、とにかくこれらの意味する「職業」についてだ。当ブログは、初期において、プログラマー、ジャーナリスト、と並んでカウンセラーを、現代的な三大職業として上げておいた。

 だが、プログラマーやIT職人に勝手にあこがれてみたりしても、当ブログとしては、それを職業にすることはできない。せいぜいアフェリエイトで数百円から数千円分のポイントを稼ぐのが精いっぱい。オークションやらその他のネット商売を考えても、どうも夢中にはなれない。だから、いつのまにかプログラマーについて考えることは少なくなってしまった。

 ジャーナリストは、ブログ・ジャーナリズムや市民ジャーナリストの概念もあることだし、それなりに引き寄せて考えることもできたのだが、外側に世界についての取材には個人ブログとしてはおのずと限界がある。能力的にも経済的にも、プロのジャーナリストたちにお世話になったほうが早いことが多い。

 さて、同じような意味で、いわゆるカウンセラーについても、「もぐらつぶし」をしなくてはならないのだが、まだつぶし切れていない。なぜか。それは私自身がカウンセラーの一人でもあるからだ。一体、カウンセラーという役割とはどういうことなのか。ここのところは、十分、自分でも納得できない点がある。

 さて、ここまでくると「意識をめぐる読書ブログ」における「意識」をもうすこし細かに考えていくために、「往相に向かう29歳に対するカウンセリング」という概念ができあがる。つまり、これはまるで「グル」ではないか。更にいうならマスター稼業だ。このことについてに「もぐらつぶし」をしようと思う。つまり、そのような方向に向けて読書ターゲットをすこしづつ絞り込んでいこうと思う。

 逆に考えれば、いわゆる青少年問題とか、病気治しとか、オタク的嗜好性とか、政治や経済問題については、当ブログのテーマからは次第に離れていくことになるだろう、ということだ。まぁ、この本を読んでいて、そのようなことを、頭の中ではごちゃごちゃ考えていた、ということになる。

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