曼荼羅グラフィクス<4>
<3>よりつづく
「曼荼羅グラフィクス」 <4>
田中公明 2007/04 山川出版社 単行本 135p
もし、吉福伸逸がいうように、ケン・ウィルバーが「意識の大統一理論」を目指しているとして、その統合を位置と色で表現するとしたら、次のようなものになるのではないだろうか(笑)。
これは、仏教の正当な後継と見られているひとつの流れとしてのチベット密教の曼陀羅、母タントラのチャクラサンヴァラ六十二尊曼荼羅(p36)だ。仏教の最後の完成領域にあり、また「反密教学」の津田真一などに言わせれば、ここで密教は反密教として完結したのである。
ツォンカパは、この「完結」寸前の密教をまとめ上げ、あと一歩で終了というエネルギーをとどめ続けている。その後継をダライラマが勤めている、という構図になる。これがウィルバーが求めているマトリックスではなかったとしても、2500年サイクルの人類史の中でまとめ上げられてきたこの曼荼羅を活用しない手はないだろう。
チャクラサンヴァラは棒を持ったなかなか凛々しい神様であり、「サンヴァラ系密教の諸相」などの好著が出版されている。力強く、人類の意識マトリックス作りに貢献している。
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