インテグラル・スピリチュアリティ <6>
<5>よりつづく
「インテグラル・スピリチュアリティ」<6>
ケン・ウィルバー /松永太郎 春秋社 2008年02月サイズ: 単行本 ページ数: 469p
年度末の繁忙期に加え、前から調子のよくなかった腰の具合が、また、このところぐずつき気味になってきた。当ブログとしては、もっと集中してなにごとか書きこみたい気分もあったのだが、なかなかそれもできない。もっとも、結論めいたことはなにもなく、何事かを発見した、ということでも勿論ない。ひたすら、一つの円環を閉じたいというだけで、そこにまた新たなる宿題が残されるだろうことはしかたない。 私は、もともとウィルバー読みではないので、この本の中の、ひとつひとつはあまり追及しないことにしている。むしろ、多岐にわたるその文脈を追いながら、自分の中にひとつの円、一円相を思い浮かべながら、どのような形で、このウィルバー・ワールドから、この円までいくのだろうか、となかば推理しながら、なかば絶望しながら、あちこちの文字を追う。
たとえ、あなたが瞑想の座布団に何十年坐っていても「スパイラル・ダイナミクス」の段階を理解することは決してない。また「スパイラル・ダイナミクス」を完全に理解するまで勉強しても、悟りは得られない。統合的なポイントから言えば、両者を含めないと、あなたは、人間や人間と実在(リアリティ)である神との関係を決して理解することはできないだろう。
瞑想による理解とは、「私」を内側から見る方法論であり、現象学の分野である。「スパイラル・ダイナミクス」は、「それ」を外側から研究する構造主義である。両方とも人間の意識を研究しているが、非常に異なったものを見ている。それは異なった視点に立ち、異なった方法論をとっているからである。さらに、ある個人は、どちらかに非常に長じることはあっても、別の面ではさほどではない場合もある。別々の尺度を用いては両方のことはわからない。お互いに見ることすらできないのである。p60
現在、当ブログは、「ブッタ達の心理学3.0」というカテゴリに日記を書きためているわけだが、残りもそう多くはない。Osho「私が愛した本」の中の、なかなか手つかずになっていた「東洋哲学(インド編)」の「ブッタ達」の転記を終え、これから、こちらも以前より手つかずになっていたOshoの「最後のZENシリーズ」英語本版を転記していこうと思う。
転記しているだけで、面白みはないのだが、いわゆる写経に似て、その文字面を追っているだけでも何事かあり、それをキーボードで打ち込むことでも、内面的には何事かある。まぁ大したことにはならないにせよ、あと他に、どうすればいいのか分からない。だから、なにはともあれ、ひとつひとつ追っかけていくしかない。
残り十数冊のZENシリーズに対応しうる一冊とすれば、このウィルバーの「インテグラル・スピリチュアリティ」などは、現在のところうってつけのように思える。仔細な道に入り込むと分からなくなることもあるが、巨視的に、俯瞰的に眺めていると、不思議と全体像がぼんやりと浮かぶ時がある。
最初は粗雑なあちこちからかき集めてきた本についてメモしておいて、ようやくコンシャスネスやスピリチュアリティや瞑想、というテーマに絞り込んできて、いざ、そのテーマに辿り着いてみると、さらにそこからが深い。あるいは、ここからこそが本当の深みであり、高みであると言える。
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コメント
☆チダ
確かに高度に組み合わされたスーパーマインドではありますね。細かいところは、最初から飛ばしているので、私もどうのこうの言えないです。
今、子どもの絵の本を開いていて、集合的無意識というか、小さな子どもたちにもすでに含まれている統合的なシンボリズムというものがあるんだな、と感心します。
そして、それは、もっと限りなくのびやかで自由な発想にゆだねられています。
ウィルバーの色や位置についての論説も、もっと分かりやすく、もっとハートフルだといいのにな、と思います。
子どものように「無心」になる、という表現もありますしね。
投稿: Bhavesh | 2010/03/24 19:58
ぼくの直感は、ウィルバー・ワールドの「スパイラル・ダイナミクス」は、マインドの中のゲームに過ぎないと言うんですよ。
Oshoが繰り返し「一円相」の完結は段階的ではないと語っているからかもしれないけどね。
『イン・スピ』は難解だから「間違っても」断言するつもりはないけど、これを読んでいる間ずっと感じていたことなんだよね。
投稿: チダ | 2010/03/24 18:37