ラーマクリシュナの福音 マヘンドラナートOSHO「私が愛した本」<62>
<61>からつづく
「私が愛した本」 <62>
OSHO /スワミ・パリトーショ 1992/12 和尚エンタープライズジャパン 単行本 269p
「ラーマクリシュナの福音」マヘンドラナート
6番目。私の6番目の選択は、不思議な人物の書物だ。彼は自分を「M」と呼ぶ。私は彼の本名を知っているが、彼は決して誰にもそれを知らせようとはしなかった。彼の名前はマヘンドラナートという。
彼は、ラーマクリシュナの弟子のベンガル人だった。マヘンドラナートは、何年も何年もラーマクリシュナの許に付き従い、自分の師の周りに起こることをどんなことでも記録し続けた。この書はMによって書かれた「ラーマクリシュナの福音」として知られている。彼は決して自分の名前を明かそうとはしなかった。彼は無名のままでいたかったのだ。それこそが真の弟子のやり方だ。彼は自分自身を完全に消し去った。
ラーマクリシュナが死んだ日、驚くだろうが、Mも死んだ。彼にはそれ以上、もう生きるべき理由がなかったのだ。私には理解できる・・・・・ラーマクリシュナが死んだ後では、死ぬことよりは生きることのほうがはるかにむずかしかったに違いない。師のいない世界に生きるよりは、死ぬ方がはるかに至福に満ちていた。
たくさんの導師がいたが、その師について報告するMのような弟子がいたことは決してなかった。彼はどこにも姿を現さない。彼はただ報告している---自分とラーマクリシュナについてではなく、ひたすらラーマクリシュナについてだ。その師の前に彼はもう存在しない。私はこの男とその書、そして自分自身を拭い去ろうとするその途方もない努力を愛する。Mのような弟子を見つけることは稀なことだ。ラーマクリシュナはこのことでは、イエスよりもはるかに幸運だった。
私が彼の本名を知っているのは、ベンガルを旅したことがあるからだ。前世紀の最後までラーマクリシュナは生きていたから、このマヘンドラナートという男の名前を発見することができた。OSHO「私が愛した本」 p238
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