色はことのは Feel the colors <3>
「色はことのは」 Feel the colors <3>
末永蒼生・文 /内藤忠行・写真 2003/10 幻冬舎 単行本 159p
この時期、この本にはもっと触れたかったと思う。転記すべき個所もまだまだある。だが、この本のある部分がどうも私にストップをかけた。色はことのは。ひたすら文字マンダラを追いかけてきて、もううんざりだな、という時に、あざやかな原色が、それぞれのページからこぼれおちてくるようなこの本には、ほんとにびっくりした。数ある末永本では、この本が最高だな、自分でも一冊ほしい、と思っていた。
だが・・・、この本に限ったわけではないのだが、著者プロフィールにある1999年ホノルル大学で博士号取得、という文言がどうも気になってしまった。彼の経歴の中で、長崎の高校を卒業して上京してきたことは分かっていたが、その後のことは詳しくは知らないし、あまり知る気もなかった。だけど、気になったのでネットで検索してみると、この大学の「フェイク」な感じがいろいろと表現されている。
一体、著者はこの大学から学位を得るという、自らの行為の「フェイク」性に気付いていたのだろうか。あるいは、「被害者」なのか? そんなことはないだろう。かなりの長期に渡ってこの経歴が著書に印刷されている。2007年3月にはNHKの「ようこそ先輩」に登場しているので、少なくとも長崎市立諏訪小学校を卒業しているのは間違いなさそうだ。
弟君の末永朱胤(あかたね)氏はどうなっているのだろうと、検索してみると、なかなかの経歴でアカデミズムの中に生息しているように見える。「2002 年 12 月 パリ第 10 大学博士課程言語科学科博士論文課程修了 取得学位:言語学博士(パリ第 10 大学)」とあるから、この時期、数年の間に、兄弟二人して、博士になったことになる。弟君には、互いに10代の頃に会ったことがあるから、これは慶賀なことだと、素直に祝福したい。
そう言えば、二人の父親は、家族をおいてフランスに旅立ってしまったのだったかもしれない。そういうことを聴いた気がする。パリ第 10 大学とはどんな大学なのか知らないが、当ブログには、パリ第7大学、というところからアクセスされたことがある(笑)。まぁ、そんなことはどうでもいいが、この兄弟に「蒼」と「朱」の二つの名前を使い分けた、画家の父親の色彩感性が、なんともあざやかだと思う。
ちょっとやましい気分になった私は、もうすでにこの本を図書館に返却してしまったが、それは、ちょっとやりすぎだったかな、と思う。フェイクはフェイクでいいではないか。そのフェイクさを堂々と生きる在野の「クレヨン先生」が、多少の学位商法を利用しようとしていたとしても、笑ってすませることができる範囲ではないのか、と思い直してみる。
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