オウムを生きて 元信者たちの地下鉄サリン事件から15年
「オウムを生きて」 元信者たちの地下鉄サリン事件から15年
青木由美子 2010/03 サイゾー 単行本 319p
Vol.3 No.0009★★★☆☆
あまり細かいことは言いたくないけれど、当ブログは今でもちゃんと、この問題については関心を持つ続けている、ということだけはメモしておきたい。最近、当ブログへのアクセスのほとんどは、村上春樹「1Q84」book3関連のワードやフレーズからである。はっきり言って、あの小説のハッピーエンドには納得いかない。
村上春樹関連の60冊ほどに目を通したのは、別に彼がノーベル賞作家になるか、とか、何十億円儲けたか、という話題のためではない。「アンダーグラウンド」や「約束された場所で」、あるいは「神の子どもたちはみな踊る」などをものした、現代日本の世界に代表する作家・ムラカミハルキの本懐はいかにあるのか、そこがテーマである。もちろん、彼ひとりだけにその責任を負わせる気はない。当ブログの、裏モチベーションはこの問題の影を引いている。
2000冊の本について書いたし、この辺でブログ・トリップも終わりにしようと思い、図書館通いもやめた。読書もいいかげんにしよう。今回はたまたま、図書館に奥さんが借りた本を返しに行っただけだった。
だけど、新刊コーナーにこんな本があったら、無視して帰るわけにはいかない。読んだ。かなり飛ばし読みではあるが読んだ。いまだに直視できない。一応読んだことにして返そうと思った。黙って、ブログにこの本のことなんか書かないと思っていた。
だけど、最近のわがライフスタイルの、深夜に、youtubeで徳永英明を聴きながら、黒霧島をちびりちびり、やる、ということをしていたら、やっぱり、この本について、メモしないで返すわけにはいかなくなった。
裁判が始まると、サマナがこぞって傍聴に行きました。私も何回か通いましたが、松本さんよりも弟子のほうは態度がはっきりしているし、もともと親しかった人もいるので、印象に残っています。あるとき廣瀬(健一)さん、杉本(繁郎)さん、豊田(亨)さんの三人が被告で松本さんが証人という裁判がありました。
豊田さんは「これがグルの態度ですか?」と言ってすごくがっかりしており、悲しそうな、苦虫を噛み潰したような表情でした。p136
豊田亨。東大卒としては日本国憲法下では初めての死刑囚。
村上春樹は、「1Q84」をbook3としては終わらせることはないだろう。
ブロガー、NONAJUNさんはbook4を預言している。
物語世界は1Q95年の1月から3月になるはずであるということと,タイトルが『1Q84』ではなくて,『1Q95』BOOK 4〈1月―3月〉かもしれないということでした。
同時代人として、共有しなければならない問題がある。それを乗り越えていかなくてはならない。どう乗り越えていけばいいのか、なんて、なんの手がかりもない。
だけど、乗り越えていかなければならないのだ。
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