ササッとわかる「大人のアスペルガー症候群」との接し方
「ササッとわかる『大人のアスペルガー症候群』との接し方」見やすい・すぐわかる図解大安心シリーズ
加藤進昌 2009/01 講談社 単行本 110p
Vol.3 No.0006 ★★★★☆
ちょっとした困ったちゃん。いい加減にしてほしいと思う。それにもう困ったちゃんなどと言うような年齢ではない。すでに人生も終盤にさしかかっているはず。あそこまで行けば、単なる頑固者で偏屈、としか言えないのではないか。
下手に接して、こちらが無尽蔵に傷つけられるのは、もうこの辺で切り上げたい。とにかく変な奴。ずっと身近にいたから、それは、あいつの「個性」である、と、そう決めつけてきた。あんな奴、あれは、ああいう奴なのだ。
ところが、誰かが、ひょっとすると、あれは「アスペルガー」ではないのか、と言いだした。ん? それってなんだっけ・・・・・・。それはなにか「精神病みたいなもの?」 そういえば、あいつの、更に年老いた親でさえ、「きっと何かの病気であるに違いない」と言っていたではないか。ええ?、そうなの・・・?
というわけで、とにかくネットでざっと検索して、なるほど、と思い、さらに、最寄りの図書館で調べてみた。驚いたことに、このワードで引っかかる本は、かなり多い。いや、むしろ近年、限りなく増えていると言える。ひょっとすると、これって、ブーム?
まずは、この本を読んでみた。なるほど、思い当るところがある。そのような概念を借りて、あの人物を理解しようとすると、ぴたりと当てはまることが多い。かならずしも典型的なアスペルガー症候群とは言い難いが、そのいくつかの典型的な特徴を借りてくると、あの人物の行動がやや理解できる。
いままでは、ひとりの「人格」を持った存在として付き合ってきたから、あいつはああいう奴だ、と決めつけてみたり、ああ、仕方ないと諦めて、その流れに巻き込まれてみたりした。しかし、ここで、あの行動パターンを、「病気」とまでは言わないまでも、なんらかの「障害」と考えることができれば、こちらの対応に余裕ができる。
厳密にはアスペルガー症候群とは診断できない場合、ひとまず「PDD-NOS(典型的でない広汎性発達障害)」と呼ばれることもあるという。なるほど、ここまで考えることができるとすれば、あの人物をこの範疇にひとまず当てはめてみて、それから、人間関係の修復を図ることも、無駄ではなさそうだ。
だけどこの本、自分の中の「大人のアスペルガー症候群」との付き合い方は書いてあるけれど、「アスペルガー症候群」とおぼしき「大人」の周囲の人々が、どのように「付き合えば」いいのかまでは、親切に書いてはいない。
まさか、かの人物に「病院」にいくことを進めることもできないし、あなたは「病気」だ、と言うこともできない。どのようにすれば、そのことを自覚してくれるだろうか。そんなことを考えていると、はて、それを考えている自分も、なにかの尺度で「診断」すれば、なにかの「症候群」に当てはまっているかもしれないぞ、と思う。いやはや。
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コメント
kokodokoさん
私のほうは、すこしづつ問題縮小のほうに向かっているので、まぁ、とりあえず、一安心というところです。
まぁ、人生の中にはいろいろあるものですネ・・・・。(2010.05.26 14:28:35)
投稿: Bhavesh | 2010/06/14 00:15
同感
同じ思いです。
最近は、自分がおかしいのではないかと思い始めました。
いろんな意味で、しんどい。(2010.05.25 13:20:52)
投稿: kokodoko | 2010/06/14 00:14