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2010/05/17

神智学入門

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「神智学入門」未来人への精神ガイド
C.W.リードビーター (著), 宮崎 直樹 (著),1990/08 たま出版 単行本215P 
Vol.3 No.0012★★★★☆

 縁なき衆生は度し難し、とはいうものの、度され難いと見られてしまうのも、なんだか落ち着き悪いものである。この本は、リードビーターの「神智学のアウトライン」(1911)が邦訳されたものであるが、出版は1990年である。その間、同人の間では当然のごとくいくつかの翻訳が流通していたものと思われるが、時代性から考えると、必ずしも日本の精神世界の出版の流れにピタッとはまったものではなかったのではないだろうか。

 人間の構成については、ベザント女史の著作「人間とその諸体」(Man and His Bodies)、「自己とその外被」(The Self and its sheaths)、「人間の七つの原質」(The Seven Principles of Man)、とわたしの本「見える人間と見えない人間」(Man: Visible and Invisible)を参照されたい。私の本には、透視によって見えたさまざまな人間の媒体について、たくさんの色刷りしたさし絵が入っているp39

 ここで書かれている「見える人間と見えない人間」こそ、1920年代から今東光が愛読していたという本で、1940年に出版され、現在では、わずかに国会図書館等に保管されている程度で、一般には流通していない一冊である。もっとも、1977年当時においても今は「コツコツ翻訳している」と言っているくらいだから、生涯かけての習作とし、むしろ広く出版を意図していたものではなかったのかもしれない。

 いずれにせよ、この「神智学入門」において、ぜひとも知りたいと思うものはすでになく、大体の内容については、現代においてはごく一般に知られてしまっているように思う。そうでなくても、インターネットが発達した現代なら、おおよその内容は検討がつく。ただ、一冊の本となっていれば、出典としての根拠にしやすいし、まとめて話題にしやすい。

大同胞団(Great Brotherhood) 大白同胞団ともよばれ、地球上の進化を救導している超人の階層制団(ヒエラルキー)。奥義体得者とは、段階的な霊的進化をへてその集団への参画を許された者。p200

 Oshoが最終ワークに入った段階で登場してきたホワイトローブ・ブラザーフッドだが、あの時以来、いつもこの「大白同胞団」(グレイト・ホワイト・ブラザーフッド)とやらとのシノニムスについて考えることがある。結局は、Oshoは神智学の流れを汲んでいたのだろうか。

 いや、狭義で考えれば、「神智学」(セオソフィー)とは、19世紀にマダム・ブラバッキーやオルコット大佐達によって始められた精神的運動のように思われているが、実はそうではなくて、広義における「神智学」は、古代より連綿と続いてきた精神運動であってみれば、なにも、ブラバッキーやリードビーターやアニー・ベサントと言った人々の後塵を拝している、と考える必要はないのであろう。

 ところで、今東光にせよ、川端康成にせよ、あるいは鈴木大拙にせよ、いわゆるブラヴァッキー以降の狭義におけるセオソフィーとの接触がまことしやかに語られている人たちだが、彼らは、積極的な意味において、その接触の形跡を明確には残していないようだ。それをもって、いろいろ重箱の隅をつつくような詮索をしている当ブログではあるが、出歯亀根性で、初期的に興味を持つのは構わないとしても、あまりイビツな探求心になる前に、そのような好奇心はあらためなければならないだろう。

 それと、この神智学的ニュアンスを思う時、いつも気になるのは、Oshoの「奇跡の探求」などにみられる、七つの身体論とセオソフィーとの関連である。いままでは、セオソフィーから何事かのコンセプトを借りてきているのだろうか、と思うこともあったが、これもまた、広義におけるセオソフィーは古代から続いてきているのだ、と考えれば、なにも、ブラヴァッキー以降の流れだけを異常に意識する必要はないのだ、と気がついた。

 いわゆるセオソフィーだけの、オリジナルな特許、というものではないのである。いままでちょっとよそよそしかったセオソフィーとの関係だったが、すこし見方を変えれば、けっこう親和性のあるものではないか、と思えるようになった。その意味では、この本に触れた甲斐があったというものである。すこしは、縁ができたかな。

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