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2010/06/02

ルバイヤート<4>

<3>からつづく

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「アラビア・ペルシア集」世界文学大系〈第68〉
1964/08 筑摩書房 全集 442p

「ルバイヤート」<4> 黒柳恒男・訳

 「精神的マスナビー」を読もうと思って開いたのだが、こちらにも「ルバイヤート」があって、ついつい読みふけってしまった。こちらには1~296編が収録されている。

酌人よ、わが心が手から離れたら、
大海原のように拡がろう。
愚かさに満ちた狭い器の神秘主義者は
一杯の酒を飲んで溺れよう。
<11>p321

美女がもし紅玉の唇をわれによせ、
生命の水が葡萄液のかわりにあり、
ヴィーナスが楽を奏で、イエスを友にしても、
心に憂いがあれば、どうして愉しかろう。
<39>p324

酒を飲むなら、賢者と飲むか、
チューリップの頬した美少年と飲むがよい。
度を過ごし、たびたび飲んで知られるな、
少し飲め、ときおり人目忍んで飲むがよい。
<47>p325

早春に天女のような美女がもし、
野のふちで、一杯の酒を酌いでくれたら、
この言葉いかに耳に障ろうとも、
わしが天国を思うなら、犬にも劣る。
<121>p331

みごとに仕上げたこの酒盃、
砕いて道端に投げ捨てられた。
心せよ、さげすんでそれを踏むな、
この酒盃、かつては人の頭だよ。
<166>p335

神よ、生きているのにあきあきた。
悲哀や空虚はもうたくさんだ。
無より有を生みだす神よ。
有の聖域に無のわしを運んでくれ。
<213>p339

ハイヤームよ、酒に酔うなら喜べ、
一瞬でも美女とおれるなら喜べ、
万物の終りはすべて無だ、
無と有を思って喜べ。
<241>p341

おお、心よ、おまえは謎の神秘に達しない、
賢者の域にも達しえない。
酒と盃でここに天国を築こう。
天国に行けるかどうかわからない。
<290>p346

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