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2010/06/06

みろくの世 出口王仁三郎の世界

「みろくの世」―出口王仁三郎の世界
「みろくの世」出口王仁三郎の世界
出口王仁三郎言行録刊行委員会 (編集), 上田 正昭 2005/08 天声社 単行本: 319p
Vol.3 No.0044☆☆☆☆

 今東光が「巨人出口王仁三郎」で王仁三郎について語ったのと同じ文章が、こちらにも採集されている。同じ文章がここでも再掲されている、ということは、逆に言うと、もうこれ以上まとまったものとしては存在していないのかもしれない。

 ここに来て、王仁三郎に関心持つのは、同じ時代に生きていた存在として、いわゆる神智学とどのように関わっていたのか、ということ。

梅棹 当時の日本は、それまで極端な国際主義から脱皮して、ようやく国際主義が顔を出すようになった時代でした。しかし大本は、すでに戦前からたいへん熱心に国際運動をやってこられた。これが驚きでした。しかも、ただ単にエスペラントご学習するというだけではなく、1925年にはパリに人類愛善会欧州本部を設け、そこから「オオモト・インテルナツィーア」(国際大本)という堂々たるエスペラント雑誌を刊行しておられた。欧州本部の活動によって生れたオオモターノ(大本信徒)が、ヨーロッパにたくさんおられることに気がつき、これは本当に驚きました。戦争に向かっていた時代に、海外でそういう活動をしていた一群の日本人がいたということに感動しました。p250梅棹忠雄「新世紀と王仁魂」

 ジブランやナイーミがいた1910年代後半のパリより、時代はくだるものの、「星の教団」などの動きとともに、神智学の流れは、無視できない国際主義として活動していたはずである。しかるに、この本の中では、その名前はでてこない。

 例えばドイツには「白旗団」が、ブリガリアには「白色連盟」が、ベトナムには「カオダイ教」がある。中国には道院・紅卍字会。またブラジルにはアラン・カルデックという、一種の預言者が率いる心霊主義の教団があり、やはり世界主義運動を行っています。そしてこれらはなぜかすべて、1920年代から30年代にかけて生れています。おそらく第一次世界大戦を経験した後の、世界的な平和思想の流れの中から生れ出てきたものだと思います。そして大本は、戦前すでにこれらの団体と提携をしておられる。実に早い時期のことで、驚くべき話です。p251 梅棹忠雄「新世紀と王仁魂」

 ここにもそれらしい団体名は出てこない。さて、大逆事件(1911~2)の首謀者とされる幸徳秋水らは神智学の影響下にあり、さらにその系列の北一輝などは、王仁三郎に資金提供を強要したというような情報がネット上にちらほらある。まともに読んだことはないのだが、20世紀前半における、日本と世界の動きのなかで、神智学がどのように動いていたのかを追っかけるには、興味深いチェックポイントではある。

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