続 極道辻説法
「続 極道辻説法」
今 東光 (著) 1977/07 集英社 単行本 258p
Vol.3 No.0040☆☆☆☆★
神智学と今武平のつながりを追っかける意味で、この本をもういちどパラパラめくってみた。そうしたら、やっぱり、今までそういう関心を持っていなかったので見落としていたが、ここにきて大事だなぁ、と思われる部分がでてきたので、メモしておく。
いつか芥川(龍之介)さんの家へ行った時、「君のお父さんは単なるキャプテンでなくて変わっているんだね」って言うんだ。オレは一度もオヤジの話なんかしてないんで驚いたが「そうですか、変わっていますか。なにしろうちのオヤジはtheosophist(セオソフィスト・見神論者)ですよ」って言ったら、「じゃぁブラヴァッキーのThe Secret Doctorineなんか読んでいるんだな」。
これ聞いて、オレ、腰抜かしたよ。ブラヴァッキーと言っても知らんだろうが、これはエレーナ・ペトローヴナ・ブラヴァッキーというロシア生まれの婦人で、19世紀最大のオカルティストなんだ。彼女が書いた「ザ・シークレット・ドクトリン」という1888年に出版された本を読んでオヤジはセオソフィストになったんだから。どうしてこんな本まで読んでいらっしゃるのかって、もうびっくりしたもんだ。今 東光p101
芥川龍之介が没したのは1927年(昭和2年)7月24日。当然、このエピソードはそれ以前のこととなる。この話題を週刊誌「プレイボーイ」に掲載したのは1976年前後のことだろう。常に今東光はこの周辺あたりにも関心を持ちつづけていたことがわかる。
「最後の辻説法」、「巨人 出口王仁三郎」、あるいは「クリシュナムルティの世界」などと関連付けて読むと面白い。「シークレット・ドクトリン」は「BIHL5」の5冊目に登場するが、まだ、当ブログとしては精読という段階にはない。
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