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2010/07/04

神智学大要<3> メンタル体

<2>からつづく

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「神智学大要」 第3巻 メンタル体 <3>
A・E・パウエル (編集), 仲里 誠桔 (翻訳) 1982/09 たま出版 単行本: 362p
Vol.3 No.0067☆☆☆☆★

 エーテル体、アストラル体、メンタル体、あるいはコーザル体という言葉使いはあっても、必ずしも字義通りの区別があるわけではない。むしろ、これらの概念はもっと細かに説明されていて、まるで虹色は3色なのか7色なのか、9色なのか、といった具合に、極めて便宜的な説明と言わざるを得ない。

 それは、アニー・ベサントとリードビーターのあまたある著書を大まとめにまとめたものが本書であり、必ずしも整合性のとれるような理論家や体系化を目指したものでなかった、というところに原因がありそうだ。これにブラヴァッキーの著書を交えたら、トンデモないことになりそうだ、とパウエルは予感している。

 約100年前の欧米社会では心霊主義がいろいろとはびこっていただろうし、交霊会のようなセッションは数多く行われていただろうし、さまざまな現象や特異性格や変性意識の現場から寄り集められたデータは限りなくあったに違いない。

 ここに集められたるデータはそのまま今日の私たちが日常的に扱うことができるものばかりではないが、すくなくとも、こういう時代背景があったのだ、と理解することによって、ウスペンスキーやらクリシュナムルティの若い時代の精神的彷徨が垣間見えてくる部分もある。

 瞑想についても書いてあるが、興味深いのはほんの一部で、あまりにいろいろな、いわゆる当時の現代神智学的色づけで語られているので、こちらも、すんなりと私たちを瞑想へと導いてくれるものではない。

 アカーシャの記録などについても興味深い。しかし、仏典などでアラヤ識などと翻訳されているであろう事象と重なってくる部分ではあるが、これもまた現代神智学的解釈であり、これはこれとして、別途、他の流れの解釈と、比較検討してみる価値はありそうだ。

 この本で一番気になったところは、第33章「弟子の資格」あたりであろうか。

 大師の弟子(チベット語でいうチェラ)となり、やがては大白色聖同胞因の盟員となることを目ざす人にとって、アストラル体はもちろんだがメンタル体を制御し、鍛練し、発達させることがその任務のうちの重要な部分となる。p336「弟子の資格」

 ここでいうところの「大白色聖同胞因」(ママ)とは、以前は、トンデモ本でしか語られないものであると思っていた。しかし、しかし最近分かったことであるが、この言葉をトンデモ本でしか発見しなかったのは、私がトンデモ本しか読んでいなかったからであり(笑)、いわゆる現代神智学では、結構真面目に語られているということであった。

 当然1980年代の後半からOshoの近辺で起こったホワイトローブ・ブラザーフッドは、あきらかにここで言われているところの「大白色聖同胞因」とシノニムスがあるはずである。70年前後に見られる七つの身体論と共に、Oshoが、現代神智学の流れをなんとか受け止めようとする試みの一つとみることも可能だろう。あるいは、もっと別な解釈があるかもしれない。

 最後に、いわゆる秘密結社FMについて触れているところもあるが、そもそも当ブログはそれらのトンデモ本や陰謀論などは、その興味があるなしにかかわらず、距離をおいて接しているが、今後留意して読み進めていくべき点ではあろう。

<4>につづく

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