ターシャム・オルガヌム<7>
<6>よりつづく
「ターシャム・オルガヌム」(第三の思考規範)―世界の謎への鍵 <7>
P.D. ウスペンスキー , 高橋 弘泰 , 小森 健太朗 2000/06 コスモスライブラリー 単行本p451
☆☆☆☆☆
今回もまた、この本を図書館に返すタイミングがやってきた。読めば読むほど、ウースペンスキーが当時の現代神智学の中で、必死に蠢いている感じが浮きあがってくる。すでに何回かめくったはずなのに、どうしてそのことに気がつかなかったのだろう。気がつきたくなかったんだろうな。そう思いたくなかった。
そうは言っても、事実は事実として、ウスペンスキーを理解しようとすれば、当然のごとく、彼がそこを後ろにして羽ばたこうとした現代神智学というものの全容を俯瞰しておく必要がでてくる。クリシュナムルティもまた現代神智学という背景の中から飛び出した。二人とも、同じ時代に、同じような風景を背にしながら、違った環境の中で、それぞれの道へと歩み始めた。
「ターシャル・オルガヌム」にはロシア版があったり、英語版やら改訂版などがあって、どれが一番重要ということは容易に決定できないが、今、こうして手元にある改訂版の邦訳に頼ることしかできない。改訂がいくつか重ねられていると、誤字脱字の訂正ならともかくとして、その他に用語の統一とか、趣旨の変換とかがあったりするとなれば、時代を経た一読者としては、なんだか、ためらい傷のように見えて、いまひとつスッキリしない。
しかしそれでもなお、一読者としては、読めば読むほど新しい発見があり、今後も何回かこの本をめくっていくことになるだろう。いずれは自分用に一冊準備するとしても、手元に置いたというだけでは、また積ん読本になってしまうので、こうして図書館から借りたり返却しながらそのたびごとにメモし続けることも、まぁ、当ブログなりの流儀ではあろう。
そういえば、以前、当ブログ「何回もページをめくった本ベスト10」という書込みをしたことがある。当時の第一位は「ウェブ進化論」の46回であったが、あれはもう閉じたままになっている。第二位の「私が愛した本」などは当時30回だったのに、現在はすでに80回になっている。この本をきっかけにあと何回も書き込みすることになるのだろう。
ふと、108という数字が浮かんできた。108-80=26。この本を「めくる」回数はあと残る26回に限定してみようか。BIHL16までつづくとして、残る13セッション分をまとめれば、ちょうど13*2=26となって、ちょうどいいくらいだな。それより続きそうだったら、また一回目から新規まき直しにしたらいい。
そんなことを考えていて、カテゴリ名「No Earth No Humanity」は必ずしも悪いネーミングではなかったと思う。まだ17個の書込みをしただけだが、もう次のカテゴリ名を思いついた。次なるカテゴリ名は「No Books No Blog」だ。
先日の夏至に「上半期に読んだ新刊本ベスト10」をアップしたが、今年上半期に読んだ新刊本なんて、ようやくこのベスト10を構成する程度のものでしかなかった。それだけに、一冊一冊が粒ぞろいだったが、すくなくとも、当ブログは、「読書ブログ」として、次から次へと新しい「本」を追いかける時代は終わりつつある、と言えるだろう。
本ではなく、その中身だ。だから、繰り返し読むに値する本をそろそろ何冊か準備し、BIHLではないにしても、108回くらい何度もめくってみたくなるような本を持つ時代になりつつあるのだ。そして、それは多分「本」ではないのだ。そこに書かれている何か。例えばこの「ターシャム・オルガヌム」であれば、テーマは「意識」だ。そこの掘り下げ、そこの積み上げ、そこの透明化、そこの見極めの必要性が、次第に見えてきていると言える。
そしてインプットとしての「読書」、アウトプットの「ブログ」という形は次第に曖昧化し、よりジンテーゼとしての「意識」が中心となるだろう。本もなくなり、ブログもなくなる。そういうステージは必ず来る。そして、より「意識」というテーマに集約されるステージが来る。そのステージに残る中の一冊として、この本は存在する可能性がでてきた。いずれやって来る「地球人スピリット・ジャーナル」最終章に向けて、当ブログは、大きく舵を切り始めている。
つづく・・・・
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