BODHIDHARMA The Greatest Zen Master<6>
「ボーディダルマ」 <6>BODHIDHARMA The Greatest Zen Master
OSHO(著), スワミ・アナンド ソパン (翻訳) 1994/07 めるくまーる 単行本 700p
菩提達磨とは言え、仏教、大乗、菩薩、頓悟、と言った縛りから自由にならない。本人がどうであったかはともかくとして、「弟子たちの記録」として残された菩提達磨の消息は、Oshoから見た場合、必ずしも完璧ではない。
この講話録で語られているのは、「二入四行論」、「血脈論」、「悟性論」、「破相論」、あるいはブッダの「温室経(バスルーム・スートラ)」などである。菩提達磨というビッグネームの元で語られたなら、ふつつかな通りがかりの一読者でしかない当ブログなどは、ただひれ伏して拝むだけになってしまいそうだ。
BIHL3へ進もうと思ったが、「信心銘」、「黄檗の書」、「慧海の書」へ移行するその肩を押しとどめ、後ろ髪を引く者がいる。誰かと思ったら、BIHL2の「ボーディダルマ」が憮然とした顔で立ちつくしている。「菩提達磨の弟子たちの記録」。「達磨二入四行論」や「達磨無心論」などをめくっても、まずはテキストありきで、ついついテキストそのものに振り回されそうだ。
その時、1987年のOshoは菩提達磨を打つ。いや正確には「菩提達磨の弟子たち」を打っているのだろうが、もっと言うなら、それは、サニヤシン達を打っているのだ。もちろん、そのサニヤシン達、という概念に、私も含まれている。時間的にも、空間的にも、それはそうでしかない。
つまり、つづめて言えば、私がこの「BODHIDHARMA The Greatest Zen Master」を読むといういうことは、Oshoの元に行って、頭を垂れて、打たれるのを待っている、ということになる。あの鋭い眼光でにらんでいるのはOshoであり、あらゆる愚かさを持ち込んでいるのは、この私だ。
Oshoはまるで、あらたなるフォーマットで菩提達磨をとらえ直し、新たなるプラットフォームの上に据え直す。グローバル・スピリチュアリティの統一場理論を打ち立てるような勢いではあるが、それは「One Earth One Humanity」から、さらに一気に「No Earth No Humanity」へと突き進む。
私はあなた方に、それが神秘にとどまること、これからもつねに神秘にとどまるであろうことを理解してほしい。まさにその本性からして、”始め”を知る方法はない。
だが、別の文脈において、仏陀はそのきわめて近くに至る。彼は言う。「無明には始まりがないが、終わりがある。そして意識には始まりがあるが、終りがない」彼はそのような言い方でこの円環を完結させる。もっと深く感じ取れるよう、もう一度くり返そう---無明には始まりがないが、終わりがある。そして、無明に終わりがあるために<気づき>にはあるが、それには終わりがない。<気づき>はいつまでも永遠に続いてゆく。Osho P508「『知らない』と言う勇気」
アル=ムスタファが12年間も待ち続けた彼の船がやってきた。その船に乗って彼が行ってしまえば、そこには何も残らないだろう。行く前に、彼は町の人々に応える。その答えが、美しければ美しいほど、その美しさにも限界があることに気づかざるを得ない。
Oshoもまた、行ってしまう人であってみれば、そこに残された答えには、つまり言葉として残されたその消息には、いくつかのほころびがある。しかし、そこに残された真実の片鱗を手掛かりに、その答えを聴く者は、自らの中に、ひとつの円環の完結を試みる。
瞑想において助けになるであろうものが正しい。無用な形而上学や哲学は、あなた方の瞑想にとってはなんの助けにもならないし、いかなる役にも立たない。
ある意味で、私はこれで良かったのだと思う。というのも、偶然にもこれらの語録は議論されうことになったが、それによってあなた方は両面を見ることができたからだ。あなた方は<光明(エンライトメント)>の最高の頂においてすら、人は過ちを犯したり、邪道に陥ったり、愚かな発言をしたりすることがあるうるのだということを、覚えておくことができる。p693「瞬きの手間もかからない」
当ブログは当ブログなりに、「No Earth No Humanity」から、さらに「No Books No Blog」へと牛歩の歩みを進める。
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