スマートフォン徹底活用ガイド! MobileHack
「MobileHackスマートフォン徹底活用ガイド!」
アスキームックアスキー・メディアワークス/角川GP 2008/01 アスキー・メ ムックその他 243p
Vol.3 No.0108☆☆☆☆★
スマートフォンをキーワードとして検索してみるのだが、近刊も含め、単行本となっているのは極めてすくない。ガラパゴス・ケータイの栄える日本本土にあっては、まだスマートフォンは新種に属する外来種なのか、あるいは、すでに他の名前の元で進化を遂げているのかは分からない。
今日のところ発見したのはこの本だけだが、2008年1月、という発行年度が気になる。すでに3年以上前の編集によるものだから、内容が2010年の今日はマッチしないだろうとすぐ予想はついたが、どうしてどうして、この本はいろいろ興味深い。
1)「オフィス文書・PDF・PowerPointを活用する」p024
現在のMSモバイルOSでも可能なのかどうか知らないが、様々なオフィスが「活用」できるとすれば、面白い。もちろんその環境を整えたり、その活用に限度はありそうだが、それでも、なるほど、そういう面からスマートフォンを見ることも必要だと思う。
2)「はてな、ココログ、mixi 他 主要blogへの簡単投稿(写真付きも)」p100
すでにケータイからはチャレンジ済みではあるが、ブログのサンプルとして当ブログがお世話になっている「ココログ」が上位に表示されることは少ない。実際に当時のスマートフォンを使っての作業の手順が興味深い。
3)「セカンドライフをモバイルで楽しむ方法」p108
これは驚き。数年前は、わざわざセカンドライフをやるためにパソコンを買い替えたのに、小さなスマートフォンでSLがやれるのである。もちろん、アプリを使ったビューアーのようなもので、フルにSLの中には入れないだろうが、三年前に「ケータイでSLができない」と早合点していた自分の態度は改めなくてはならない。もちろん、その環境をつくることができる、というだけであって、本当に実用的かどうかはまだ判断つかないが。
4)「Twitter Mobile」p112
ケータイ音痴の当ブログでさえ、現在スマートフォンからのツィッター接続を話題にする時代になっている。この本がでた当時はまだツィッターそのものがマイナーだったが、それでも、すでにモバツイについて画像入りで紹介してある。
5)「GPSログをGoogle Earthに表示させよう!」p137
これもまた現在では当然なのかもしれないが、3年前には、私は、このような技術について考えてもみなかったし、その必要性も感じなかった。今は、端末選びにおいては、重要なチェックポイントにさえなりつつある。
6)「Bliuetoothキーボード、USBキーボードで快適入力」p147
QWERTY入力の小さなキー達のことではなく、ほぼフルサイズのキーボードを外付けにしてスマートフォンを使い倒そう、という発想である。これは私もありそうだし、必要だなと思っていたが本当にあるのだ。しかし、繋がっている端末は外国のものだから、現実的に、日本の状況の中で使えるかどうかは、これから調べてみなくてはなんとも判断がつかない。
7)「QWERTYキーボードスマートフォン、1000文字タイピング速度比較」p151
なるほど、これは誰も考えそうなことだ。同じ人の体験だと、パソコンのキーボードに比べると、スマートフォンのキーボードからでは、大体4~5倍ほどの時間がかかるようだ。もっとも、内臓されている変換ソフトや、キーの形状により大きな違いがでてくるので、機種別に7種類のスマートフォンが実験されている。しかし、興味深いのはいずれしても、同じ文章を3回づつ打ちこんでみると、だんだん早くなっていること。慣れれば、どの機種でも結構早く打てるようになるのである。(それでも3倍はかかる)。
8)「お出かけのときの電源グッズ」p160
もう、いちいち文句ばかりを言っている当ブログとは違う。車でドライブするにはガソリンが必要だ。どこでタンクを満タンにするか、という風な、すでにじつに実務的な話題に切り込んでいる。ただ、やっぱり、ケータイの電源は長時間持ってほしい。途中で災難にあったり、山で遭難したりすることを考えると、通常使用でフル充電で一週間くらい持続してほしい。だが、現在のスマートフォンでも結構、何時間程度、という致命的なレポートがあちこちに散見される。
9)「日本語版BlackBerryの紹介」p176
店頭ではブラック・ベリーを見て、お、いいな、と思ったが、接続料金の問題や、ディスプレイの大きさなどから、次第にフェードアウトしそうな雰囲気だ。しかし、なぜブラック・ベリーがこれだけポピュラーになったかというと、そのセキュリティの高さによるもので、その端末だけではなく、そのキャリアの思想にある、ということも見逃せない。
10)「スマートフォンの通信速度比較」p232
これもまた興味深々というところだが、実験されている機種は10種類ほどあるが、どれも今日日本で一般に使われているスマートフォンではない。電波やキャリアの問題だけでなく、端末にもその速度の要因があるとするならば、無視はできない。しかし、実感として一般人が比較できるわけではないので、ネット上のユーザーたちのレポートなども参考にして、このようなことにも気を配る必要を感じた。
11)「寝モバのススメ」p238
もともと読書は寝っ転がらないと出来ない性格の私としては、今後スマートフォンと付き合う時間が長くなるとすれば、当然ソファーで寝っ転がって使用することを考えるだろう。ところが、この本においては、「寝」ということをもっと細かに状況設定して、どの機種がベストかレポートしている。隣に誰か寝ているのか、明りはついているのか、音は出せるのか、などなど、なるほどね。至れりつくせりだ。
この本は「モバイル・ハック」のタイトルがつくムックであることから分かるように、一般むけの本ではない。いわゆるハッカーを自認するようなマニアたち、あるいは技術者たちによるレポートである。かなり突っ込んだ話が多い。
閉ざされたガラパゴス島に、海の外から吹いてくる、一陣の風が、この本ですでに表現されていた。
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