私たちの選択 アル・ゴア 温暖化を解決するための18章 <1>
「私たちの選択」 温暖化を解決するための18章<1>
アル・ゴア/枝広淳子 2009/12 ランダムハウスジャパン 単行本 414p
Vol.3 No.0133☆☆★★★
前作は「不都合な真実」。たしか、あれをきっかけにアル・ゴアは2007年ノーベル平和賞をもらったのだった。ところであの本って一体なんだったのだろう、と思う。悪口をいう人たちは、原発推進派的結論だ、とか言っていたようだが、どうだったのだろう。
「大量の温室効果ガスという汚染物質を発生させずに電力を作るにはどうしたらよいか」を世界が議論している部屋の真ん中に、維持費ばかりが高くつく、放射能を帯びた厄介物がある---原子力である。
「制御された核分裂を熱源として電気タービンを回す」という発想は、第二次世界大戦後の四半世紀、大いなる熱狂を巻き起こした。米国原子力委員会は1960年代の終わりに、「2000年には米国内で1000基を超える原子力発電所が稼働しているだろう」と予測した。しかし、これまでに建設された数は、そのわずか10分の1にすぎない。かつて低コストの電力を実質的に提供すると期待されていた原子力は、この30年間に、危機に瀕するエネルギー源となってきた。p150「原子力という選択肢」
この原子力発電の項目だけを読んだとしても、なんとも微妙な表現がつづく。実際には何をいおうとしているのか。アップルコンピュータの取締役であり、グーグル社の上級顧問であり、また投資会社の創立者であり、会長でもある。その他、大学の客員教授であったり、NPOの会長であったりする。このような多忙な人が、この様な一冊の本をひとりで造ることができるだろうか。
アル・ゴアという名前のもとに進められている多数のスタッフがかかわるプロジェクトがあるのだろうし、決してそれはボランティアの善意にだけ支えられた活動ではないだろう。このような綺麗な一冊を作るにもそうとうなエネルギーが必要となる。
温暖化や環境問題について、たくさんの問題を指摘している。そして、図版やグラフ、から写真を多用して、分かりやすく、かと言って、かなり、硬軟取り合わせて、説明している。もっともだ、と思うこともあるが、本当に、この本のなかに解決策はあるだろうか、と疑問ににもなる。
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