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2010/09/30

「保険完全ガイド」保険辛口ランキング50

保険完全ガイド―保険辛口ランキング50 (100%ムックシリーズ)
「保険完全ガイド―保険辛口ランキング50」
100%ムックシリーズ 2010/9 晋遊舎 大型本: 97p
Vol.3 No.0154 ☆☆☆★★

 保険というキーワードでトラックバックが来た。いまいちピンとこない。いつもなら、他のジャンク・トラックバックといっしょにすぐ削除するのだが、今回はなんだか、反応がにぶい。そのページそのものはまともそう(よく調べてない)なせいもあるが、なぜに私はこのキーワードが気にくわないのか、すこし考えてみることにした。

 地域ネットワークの公共図書館を検索してみると、「保険」関連は数千冊でてくる。かつての「チベット」や「ネイティブ」などの比ではない。年間500冊程度の読書量でしかない当ブログでは、5年かかかるか10年かかるかわからない本が山積みになっている。

 そのうちのタイトルをいくつか拾ってみると、これがまちまちで、とてもとてもまともに「読書」することはできない。「保険」では、あまりに範囲が広すぎる。検索パソコンでさえ、「1000件を超えましたが、これ以上検索しますか?」とあきれ顔だ。

 本屋に行ってみると、これがまた、「保険」本がいろいろある。あ~、これ以上、読みたくない、という本が山ほどある。タイトル自体が吐き気を催させる。そんなに嫌いなら、近づかなければいいじゃないか、と思う。だが、なんだか、この数日の私は違った。

 「神智学大要」を読み進めるにあたって、「あちら」にあんまり引っ張っていかれたくない私は、同時並行で「コンドームの歴史」を読んだ。「こちら」になんとか足がかりを残しておきたかったのだろう。その試みは成功したようでもあり、失敗したようでもある。どちらの本もそれなりに面白かったのではあるが、ホントにタイムリーな「ベスト本」ではなかった。

 当ブログは現在「No Books No Blog」から「メタコンシャス--意識を意識する」へと、変遷していく過程にある。より物質性、より具体性を消去していこうとする過程にあるのである。しかるに、その道も必ずしも順調と言い難い。もちろんその方向に進んではいるのだが、なぜか足止めをする声が聞こえてくる。

 酒をやめようと思うと、やたらとスルメが食いたくなったり、ダイエットしようとすると、コーヒーに入れる砂糖が増える。なんぞ、マーフィーの法則とやらが働き始めるのかもしれない。メタコンシャスに突入しようとすると、より現実な、より下世話な「保険」が騒ぎだした。沈思黙考。これも悪くないか。避けようとしてもいずれでてくる。ここは、どんと対決してやろうではないか、(と一度は決断してみたが、本当は腰がそうとうに重い)。

 十数年前、子育て真っ盛りのころ、わが家の保険を洗い出してみた。当時、核家族4人の暮らしの中に存在した保険証券は30枚。ほう、と思いはしたが、ひとつひとつ洗い出してみると、まぁ、このくらいになるのかな、という当たり前の数字だった。

 まず、車の自賠責。この保険に無縁な人はいない。車を持っていなくても、被害者になれば、自分で被害者請求できる。そして当然、自動車保険。付帯率100%とは言わないまでも、任意保険に入っていない車に乗っている奴とは友人にはなれない。助手席に乗っていたりして、事故に遭えば、目も当てられない。

 マイホームを持ったばかりだったから、金融公庫の生命保険に強制的に加入させられた。もちろん、地震保険はともかくとして火災保険も入らせられる。しかも質権設定の上、万が一、事故にあった時は、金融機関が優先に取り分を取ってしまう。

 子供たちが成長していくと、将来的な学費などが心配になる。大体、子どもが中学、高校の頃は、どの家庭でも収支は赤字になる。そのためには、学資保険でいくらかでも準備しておく必要がある。子供は病気はしないまでも、けがはするので、傷害保険は必要だろうし、賠償責任保険も特約でつけておく必要がある。

 子供に自転車を買ってやれば、自転車屋で自転車保険に加入し、パソコンを買えば家電店でパソコン保険に入った(もっとも、これは純粋な「保険」ではないが)。運動会やイベントがあれば、その日限りのイベント保険があり、たまに海外旅行にでも行けば、旅行代理店は、旅費の一部として海外旅行保険をセットして勧めてくる。

 年齢も40を超えると、いろいろ同級生の訃報も聞こえる時代になった。ガン保険は必需品だし、安いよね。だったら、医療保険は大丈夫? 子供達だって、いつかは旅立っていくのだし、老後のために、個人年金保険を考えておく必要があるでしょう。公的介護保険だけではカバーできない部分は個人で介護保険を補強して、ましてや積立にでもしておく必要があるのではないですか。

 これに、健康保険やら国民年金やら日本版401Kやらを考えると、一家4人暮らしのなかに30枚の保険証券があることなど、当たり前なのであった。これを一律にまとめあげることなど、通常のシロートには無理。どうかすると、専門家でも徹底してやっている人は少ない。もともとやっても意味のないところがある。不確定要素が多すぎたり、ひとつひとつの強弱が一様ではないのだ。

 つまり、メインは昔からの三本柱だ。一つは、一家の大黒柱が倒れた場合の生命保険。これは基本的に定期でいい。子育てが終わって、住宅ローンが払い終わるまでに見合う保険金が、亭主が万が一倒れた時に入るようにしておけばいい。

 二つ目は、火災保険。最近、地震保険もクローズアップされているが、とにかく、なんらかの理由で住宅を失った場合、ローンだけが残る愚は避けたい。家財保険だの、その他の細かいリスクはあることはあるが、考えたらキリはない。

 三つめは、自動車保険。マイカーを持っていない人もいるし、もともと保険料を払うことを避けるためにマイカーを持たない人もいる。レンターカーの方が税金などを考えても安い、と言う人もいるが、マイカーが2台、3台あることを前提として家を建てているひともいる。

 まずはこの三つが満たされていれば、基本的には合格ラインだ。ここをカバーするには、ベーシックには月1万もあれば、なんとできるだろう。しかるに、通常、核家族4人暮らしなら、月3~5万以上の保険料を負担している。積立や強制など、一様ではないが、それなりに負担ではある。

 スマートフォンを一台増やすのに、負担は、月大体6000円。安いか高いかは個人差があるだろうが、決して、すぐ手が出せるものではない。来月から止めてしまおう、と簡単に考えられる金額ではない。新聞だって、月3000円を払いたくない人たちがたくさんいる。(NHKの負担だって、なんとかして逃れている人もいるらしい)。

 車だって、ハイブリットとか言っているが、燃費のカット分などそれほど大きくない。月8000円の人が、せいぜい月6000円になる程度のものだろう。せいぜい2000円のメリットのために、高額なハイブリット車を購入したりしている。(車は趣味性の高いものだから、誰がどんな車に乗ったとしても自由ではあるが)。

 さて、保険はどうだ。月3~5万。場合によっては、積立型や終身タイプだったりすると、年間100万円以上。一生涯にすれば数千万円を支払うわけだから、これに無関心でいなさい、という方が無理なのだ。なんとか、このジャングルを走破して、概要をつかんでおかないといけない。

 だが、その割には、全体をつかんでいる人など、ほとんどいない。つかめない、と言ってもいいほどだ。そんな思いが、書店の「保険」コーナーに足を運ばせ、百年一日のごとく、ほとんど同じような内容の「保険」本が、何冊も何冊も毎月毎月並び、五月雨式に、気まぐれな客が購入していくのである。

 はてさて、当ブログにおける「保険」シリーズ、どこまでつづくだろうか。すでに初回でバテぎみである。続かない可能性は50%。だけど、つづく可能性も50%。先日、店頭で目についた「保険ランキング50」を衝動買い。580円というお手軽価格がいいし、なんとなく、目新しそう。

 「本当に入って大丈夫? ネット保険完全ガイド」などのタイトルが目につく。ネクスティア生命、なんて会社名を始めて知ったが、これはもともとはSBIアクサ生命として2年前に始まったばかりだ。それなのに、さっさとSBIは手を引いて、現在の名前になった。アクサと、ソフトバンクインベストメント(SBI)の名前を聞いただけで、その会社の成り立ちが分かるが、その会社がネット生保に特化しているというのが、いやはや、という感じがする。風聞被害の加害者になりたくないので、コメントはしないが。

 片一方のライフネット生命は、元日本生命の社長が転身したとなっているが、こちらもよく調べてみないと何とも言えない。そもそも欧米で数割、アメリカで1割とされている保険通販も、日本ではほんの数パーセントで推移しており、このネット生保とやらがどれほど伸びていくのかは、未知数だ。

 そして、営業社員だろうが、代理店だろうが、ネット販売だろうが、それは販売の入り口のところであって、「保険」商品の、根幹の部分に大きな差はないはずなのである。ただ、人によってはその「差」の意味が違う。らくらくホンだってスマートフォンだって、ガラケーだって、基本、話ができればそれでいいはずなのだが、それではケータイ話はできない。一体全体、今の世の中、「保険」に何を求めているのだろうか。

 「入っちゃいけない!ダメ保険実名掲載」なんてところでは、いわゆる日本社のアカウント保険などがメッタ切りされているが、さもありなん、と思う。カタログや店頭で比較検討できない保険商品ではあるが、そもそも販売する段階において、比較販売が禁じられているのである。ましてや、この本の掲載記事をコピーして渡したりしたら、その販売員は首になる(だろう)。「専門家50人が決定!」とかいうものの、何を持って「専門家」というのやら。

 なかなか不透明なこの「ホケン」商品。携帯電話をケータイと言い慣わすようになったように、ちょっと幅広く、ちょっと新しめな意味も込めて、当ブログではホケンと、概括的に表現することにする。はてさて、どこまで続くのやら。

つづく・・・のかなぁ・・・・・。

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