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2010/09/30

ビジネス書 大バカ事典

ビジネス書大バカ事典
「ビジネス書大バカ事典」 
勢古浩爾 2010/06 三五館 単行本 334p
Vol.3 No.0155 ☆☆☆★★

 森健の「『脳の本』数千冊の結論」に匹敵する、本。なんて表現すればいいのだろう。注目本でもなければ、トンデモ本でもない。もちろん傑作とは言い難いが、無視して納得、という本でもない。書き手そのものには信頼がおけるが、その対象となったターゲットはジャンク類がほとんど。その、無視しきれないジャンク類に突っ込んでいった蛮勇と、そのお茶目なセンスには、ある程度の共感を持つ、という程度であろうか。

 ここで取り上げられている「ビジネス書」とやらは、当ブログでいうところの範囲とはかなり違っているようだ。そもそも、ここに取り上げられた100冊は、一般の公共図書館の開架棚に並んでいるような雰囲気からはすこし外れている。あえて、このような「ハズレ」本を読んでみた、ということだろう。

 本書では、まともなビジネス書への言及はそれほど多くない。9章と付録でいくつか触れるだけである。メインの対象は、いうまでもなく、ビジネス書「もどき」作家たちが書いた「もどき本」のほうにある。p002

 この本に取り上げられている本の著者は、その名前を当ブログに転写するだけでも、はばかられる人物が何人もいる。転写することは可能だが、個人的には、その名前で当ブログが検索されてしまうことを避けたい。

 ビジネス書を1000冊読んだ男がいる。水野俊哉という人である。著書は、「ビジネス書は面白くて儲かる最高のツール」だと思い、2008年の1年間で1000冊を超えるビジネス書を読んだということである。「儲かる最高のツール」というのは、水野がそれを商売ネタにして儲けようとしたということなのだろう。別に悪いことではない。わたしのこの本だってそうなのだから。問題はどんな商品(本)を書くか、ということである。p021「なんでビジネス書を読むの?」

 年間に1000冊読むことはそう難しいことではないだろう。当ブログでさえ、年間約500冊をめくっている。もっとも何を読むかであり、それをどうするつもりなのか、は個人差がでてくるだろう。当ブログはいわゆる「ビジネス書」を好んで読んだ形跡はないし、そもそもそのジャンルを避けてきた嫌いがある。そして、どうかすると、当ブログの読書は、書評でもなければ、精読でもない。ただ、めくって、その時に自分の中に浮かんだことを、個人的にメモしているだけなので、「読んだ」本について、一行も書いていない時もある。

 かれの多くの本の表紙には本人の顔写真が載っていて、若き日の佐藤蛾次郎みたいな顔をしているが大丈夫か、とか、「頭の○○が○倍速くなる」なんてインチキくさいことをいっているが大丈夫なのか、という懸念はあるが、ともかく読んでみないことには始まらない。p068「恐るべき三人のつわもの」

 この人物の名前をここに記すほどの蛮勇は私にはない。なぜか知らないが、当ブログのコマーシャルにくっついていたりする。とにかくヘンである。私も「間違って」立ち読みしたことがある。ヘンだなぁ~と思いつつ、現在では、この「若き日の佐藤蛾次郎みたいな顔」を思い出すだけでエナジーがダウンする。

 よくわからない男が二人いる。名前を佐藤○人と小林○観という。知っている人のなかには”信者”のように入れ上げている人もいるようだが、知らない人はまったく知らない。p144「胡散くさい二人の導師」 「どこかヘンな二人」

 この周辺の名前も当ブログに記すのも、はばかられる。よく知らないし、よく知ろうともしない。ただこの辺の本をまことしやかに読んでいる知人たちの顔を思い出すと、なんだかなぁ、という思いに常に駆られる。

 これも勝間なりにがんばって書いたのはわかるが、結局「英語と会計とITは、年収を上げていくための最大必須スキルです」ということに尽きていて、それが直接「年収10倍アップ」に結びつく保証はまったくない。p195「その場しのぎの一姫二太郎」

 当ブログとしては、勝間については、あえてここでまた引っ張りだしてくる必要も感じないが、この英語と会計とIT、という取り合せが面白い。浅枝大志「ウェブ仮想社会『セカンドライフ』」の中でも、「英語力」「財務力」「ITスキル」が語られていた。これプラス「創造力」というあたりがSFならではの矜持だが、まぁ、結局、言うことはそれほどみんな変わるものでもない。

 なにをもってビジネス書というかはともかくとして、こうしてみると、むしろ新書本のほうが、真面目でためになる本が多いのではないだろうか。ほんとに「もどき本」が多いのはびっくりするが、当ブログはこの本の著者のように、100冊とか追っかける気は、今のところはない。

 ビジネス書「もどき」に拉致されないための「7つの習慣」

1)タイトルに騙されない

2)能書きに騙されない

3)著者の経歴に騙されない

4)何十万突破、に騙されない

5)活字(本)に騙されない

6)ブックレビューに騙されない

7)自分の価値観を持つ  p226

 まぁ、ここんところを抑えておけば、間違いはないだろう。当たり前のことであるが、たまにこの当たり前の道理が引っ込むから、無理が出張って来ることになる。

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