« 脳のなかの倫理 脳倫理学序説 | トップページ | ニューロ・ウォーズ 脳が操作される世界  »

2010/09/16

ツイッターで日本全国0円旅!

ツイッターで日本全国0円旅!
「ツイッターで日本全国0円旅!」 
土井雪江 2010/05 武田ランダムハウスジャパン 単行本 223p
Vol.3 No.0141 ☆☆★★★

 まぁそんな訳である日、この旅のことを私が通っているデジタルハリウッド大学の杉山知之学長に相談してみました。(中略)
 「危ないから止めなさい」と最初は止められました(汗)。でも私は決めていたので、「大丈夫です」の一点張り。そのうち学長も私が何を言っても聞かないので、結局「それじゃぁ」と、ツイッターの利用を勧めてくれました。「旅に出たら近くにいる人しか助けに行けない。ツイッターのつぶやきがライフラインになるかも」と。
 そのことを聞いて今流行りのツイッターやブログを絡めて情報を常にオープンにして旅をすると少しは安全だし、面白い旅になるんじゃないかという結論に至りました。
p014「旅の計画から準備まで」

 1991年生まれの19歳。しかも女性です。これで「危ないから止めなさい」と言わない「大人」はおかしい。通常ならやらない。しかし、すでに夏休みを利用して一人で東南アジアにバックパッカーで旅をしていた彼女は、この計画を実行に移す。しかもツイッターやらブログやらユーストリームなどを絡めているというところが、2010年らしい。そしてまた、デジハリの杉山知之にあこがれる女性ではある。

 杉山知之率いるデジタル・ハリウッドは、浅枝大志を初めとするセカンドライフ・プロジェクトチームが突出したかと思えば、いま一つ鳴かず飛ばずだなぁ、と嘆息していたら、なんとこんな元気な学生を抱えていたんだ、とびっくり。何度も企画書を練り直すあたり、いかにも現代の学生で、しかもこのような本にもなるくらいだから、それこそ稀有なプランナーの素質十分。しかしまぁ、旅はしてみなければわからない。

 思えば、私も18歳の時に「80日間ヒッチハイク日本一周」の旅に出たことがある。当時のことは当時発行していたミニコミ「時空間」に記録として残っているが、それ以外はあちこちにバラバラにメモしているので、まとまったものはない。その後、日本を3周するほどヒッチハイクは繰り返したから、その旅の面白さは分かっているが、その「危ない」部分も十分に知っている。私が体験したのは40年前のことだが、それでもやっぱり私も19歳の女性のこの計画を聞いたら、「危ないから止めなさい」の一点張りだろう。しかもツイッターの活用なんてアドバイスさえできない。

 結局は彼女はこのプロジェクトを決行するわけだが、本当に本音を言っておけば、旅行記としては、それほど面白いものではない。なんせ19歳の処女作に当たるであろう一冊である。必ずしも読み応えがある、とは言い難い。ただただ企画の面白さとその勢いで出来上がった一冊である。

 しかし、旅はするもので、本で読むものではない。この女性が体験したことは一生、身に残る。すごいことをしたものだと思う。彼女はその体験を、協力してくれた人たちに対する報告の意味を込めて本にまとめたが、実際はこの本にまとめ切れなかった体験のほうがはるかに大きいはずだと、推測する。

 今回の旅を反対しながらも、陰で応援してくれた親に感謝です。私が言い出したら聞かない性格だからあえて途中から何も言わなかったんでしょうが(最初もちろん反対されました(笑))、無事に帰って来れるのか、毎日とても心配してくれてたと思います。
 いつも話が急で、心配かけてごめんなさい。いつもありがとう。
 私はこれからも、自分が思う道を突き進んでいこうと思います!
p223「おわりに」

 52日間の旅はとてつもない旅だった。他の人には決して分からない体験がいっぱい詰まったものだった。この人、3月生まれだが、誕生日は9日なので魚座生まれだ。おなじ3月生まれでも牡羊座的な強さの「ひとり旅」ではなく、魚座的な「人つながり」旅であったこともまた特徴的だ。なるほど、ツイッターね。現代的ではある。血液型O型。なるほどね。

|

« 脳のなかの倫理 脳倫理学序説 | トップページ | ニューロ・ウォーズ 脳が操作される世界  »

40)No Books No Blogs」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ツイッターで日本全国0円旅!:

« 脳のなかの倫理 脳倫理学序説 | トップページ | ニューロ・ウォーズ 脳が操作される世界  »