よくわかる保険業界 最新2版
「よくわかる保険業界」最新2版 最新〈業界の常識〉
満野龍太郎 2010/07 日本実業出版社 単行本 251p
Vol.3 No.0169 ☆☆☆★★
「保険の常識118」を読んでこちらの「よくわかる保険業界」に目を通したら、ほとんどホケンについて基礎的な部分はわかったことになる。それでもいまいちアップデイトな雰囲気が伝わらないなら「生保・損保特集 2010」を読み、スポンサーに気をつかわないところの本音を知りたければ「保険辛口ランキング50」を読めばいい。これだけ身につければ、いっぱしのホケン通と言える。多少の議論ならすることができる。
しかし、これだけでは「私のホケン」に辿り着いたことにはならない。これらホケン状況の中で、一体、私はどこに位置しているのか。
1)ホケンに加入しようとしている。
2)ホケン業界で働こうとしている。
3)ホケンを見直そうとしている。
4)ホケンを切り口にグローバル金融を論じたい。
5)ホケンから見える世界を社会学したい。
6)ホケンという商品から見える人間の本質を見極めたい。
7)自らホケン会社を興したい。
その他、いろいろあるだろう。ここからの絞りこみが大変だ。まず、2)のホケン業界で働こうとしている人間なら、この「よくわかる保険業界」は必読だろう。特に新卒で保険会社の一般職や総合職を希望しているなら、基本中の基本ということになる。4年前の本だが、改訂されているので、中味は最新だ。
だが、この本一冊ほどの知識は実際には、いらないだろう。セールスに誘われたり、代理店でもやろうとする人でも、むしろ、こんな本を読んだら、いやになるかもしれない。詳しすぎる。働くにしても、こんなに情報はいらないのだ。それに、概略過ぎて、部分的には他の情報で補完すべきところがいくつもある。
1)これからホケンに入ろうとする人も、やはりこの本ではよくわからない。何をどうすればいいのか。ぜんぜん絞り込めたことにはならない。3)ホケンを見直そうとしているなら、もうすこし話は見えてくる。現在のホケンがどのようになっているのか、まず直視する必要がある。そして、自らの生活環境を見つめればいい。そうすれば、おのずと、どのような方向に見直せばいいか、すこしは見えてくる。
7)のように、これから小さなホケン会社を興したり、共済のNPOでも作ろうとするなら、すでにプロ中のプロだから、もちろんこんな本だけではどうしようもない。裏の裏の裏まで知り尽くしていなければそんなことはできない。それに、すこしは山師的な要素だって必要になる。
4)、5)、6)あたりは、どうやら当ブログにもフィットして来るように思えるが、本当は論じたからと言って、あんまり益はない。自らの「ホケン」の状況は何も変わったことにはならない。でも、理解することにはなるかも。いずれ、なんらかの行動が必要となる。
だから、結論として言えば、個人情報やプライベートな状況をいくらマイナーなブログであろうとも、こと細かく書くことはできない。ましてや、読者と共有することで益することは少ない。ただ、そこに戻れるように、ホケン全体を論じることはできるのではないか。具体的な着地点を手探りしながらの、ホケン談義、これなら、当ブログでもできるのではないだろうか。
ネット社会の年齢的な分布図のピークは30歳前後と思われる。ツイッターなどは後ろにずれて35歳あたりがピークだとか。電子書籍などの人気は、さらに後ろにずれて40歳前後と言われている。思えば、ホケンのニーズがもっとも高いのは40歳前後の家庭人たちである。当ブログで論じることが、必ずしも突拍子もない、わけでもなさそうである。
書き手の私は、団塊世代の後輩ではあるが、すでに50台の後半。正直言うと、すでにホケンを見直したあとに、どんどん減らして、身軽になる必要がある世代だ。払わなくてはならないものは払わなくてはならない。しかし、要らないものは、この辺でバッサリ切り落としていく必要がある。
年齢を重ねてきた以上、あるいは業務上、多少はホケンについて知りえたこともある。一般論としてはいくつか語ることができるが、しかし、具体的には、現在、ホケン業界がどうなっているのか、なんて、わかるところのほうが少ない。この辺で、「読書ブログ」並みに本を通じてホケンを知っておくことも悪くない。ただ、それが「意識をめぐる」というところに、どう繋がるのかは、未知数。あるいは、ほとんど期待できない。
だから、
1)ホケンはいるの、いらないの?
2)ホケンは月々、ナンボ払えばフツーなの?
3)誰に聞けば(何を読んだら)、自分のホケンがわかるの?
あたりを落とし所に、手探りを始めることにする。
ここで、自分=私、とされるのはアラフォーの中小企業で働くか自営業。家庭人。子供あり、とする。だが、このモデルケースだけでは、当ブログの読者をカバーしきれないだろう。だから、ここを基本として、年齢や家庭環境、仕事環境などを差し引きしてみたいと思う。
そういえば先日たまたま小耳にはさんだ話。先日、ここにも書いたが、実例(らしい)だが、詳しくはなにも知らないし、実際どうだったかもわからないので、匿名A家としておく。あのケースなど、一体どうなのだろう。気になるところではある。
1)夫44歳、妻36歳、子供6才。
2)夫が突然死。
3)生命保険、死亡保険金1000万円。
4)保険受取人、夫の両親。
このケース、なんとなく実例として、あちこちにありそうではないか。
夫44歳が突然の病死、あるいは事故や災害で亡くなるという可能性はごく少ないが本の数%の可能性はあるだろう。職業はなんだったのだろう。妻は働いているのだろうか。36歳で、今後、再婚(気を回しすぎ)などはあるのだろうか。子どもはまだ小学校につくかつかないか、くらいだ。そもそも死亡保険金1000万円は少なすぎたのではないか。受取人が両親とは、何とも不手際な。事故死、災害死なら、そちらからの補償もあるのだろうか。このケースの場合、
1)ホケンは入っておくべきだった。
2)リスクにあった保険料をもうすこし払っておくべきだった。
3)きちんと説明をする販売員に確認しておく必要があった、ということになろう。
身につまされるような話でもあり、あまりに下世話な話でもあるが、すくなくともこの「よくわかる保険業界」一冊では解決できない。具体的になると、個々のケースはまちまちなので、かゆい所に手が届くような説明が欲しくなる。
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