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2010/10/10

ワンセグ入門 An introduction to 1 Segment Broadcasting by ISDB-T

ワンセグ入門
「ワンセグ入門」 An introduction to 1 Segment Broadcasting by ISDB-T
隅倉正隆 2006/09 インプレスR&D/インプレスコミュニケ 単行本 163p
Vol.3 No.0172 ☆☆☆☆★

 ワンセグ、ワンセグと、なんだか分かっていないのに分かった気になっているワンセグだが、いざ図書館で検索してみると、率直に教えてくれている本は少ない。そもそもケータイやポータブルナビでテレビが見れることだろう、と意味は簡単にわかるのだが、じゃぁ、どうしてそうなったのか、などなど、実はよく分かっていないことが多い。

 最近6年落ちのムーバ機を代替えする段階で、スマートフォンに移行できなかった理由の一つは、ワンセグがついていないものがほとんどだった、ということがある。そもそも元のムーバ機にはワンセグなどついていなかったのだし、そんなにワンセグが魅力あるのであれば、今手元にあるポータブルナビを使えばいいじゃん、とは思うのだが、やっぱりケータイでテレビ、という魅力は捨てがたい。

 iPhoneやiPadでは、ワンセグやオサイフケータイ機能がついていないというのがネックの大きなマイナス要因になっていたが、まもなく発売になるAUのIS03をはじめてとして、キチンとワンセグをつけたスマートフォンが勢ぞろいしつつある。やっぱり日本人のケータイとしてはワンセグは不可欠要素だ。

 普段はそんなにテレビを見ていないつもりなのだが、NHKの視聴料を払っている分くらいは活用しているようだ。ニュースや地震速報はどうしても必要になる。世界遺産とか、報道番組も意欲的なものもいろいろある。そうして、テレビくらいは、いつでも見れるようにしておきたい。

 そう思って、ワンセグ・ケータイと数か月暮らしてみて感じるところ、やっぱり便利だな、と率直に思う。何気ない細切れの時間にちょっとワンセグを見てみると、意外な番組をやっている。とくに深夜に目が覚めたとき、寝付かれずにちょっとワンセグにスイッチを入れると、アーカイブスとかやっていて、普段は全然気にとめていなかった貴重な映像に出会えたりする。

 細切れになってはしまうが、ツイッターだって、その細切れ性がまた受けているわけだし、細切れワンセグも悪くない。部屋を暗くしたまま、手のひらの画像を見ていると、大画面でみる高画質なテレビなどとは違った、不思議な世界がそこにあることに気がつく。

 IT率国を目ざす日本は、e-Japan戦略、u-Japan戦略および2006年度(平成18年度)からのIT改革戦略のもとに、世界でも最先端のブロードバンド大国になりました。(中略)
 そして、地上デジタル放送の開始と同時期にサービス開始を予定されていたケータイ向け地上デジタル・テレビ放送「ワンセグ」は、2006年4月1日から、東名阪の民放21社とNHKが29都道府県にて本放送が開始されました。各携帯事業者からはワンセグ対応のケータイ製品も順次発表されています。
piii「まえがき」

 もうすでに4年前に始まっているサービスである。いまさら何を寝ぼけたことを言っているのか、と笑われそうだが、仕方ない。いままで、それほど魅力的ではないだろうと思っていたこともあったし、地デジとの絡みもよく分からない関係だなぁ、と思っていた。

 ワンセグは、この地上デジタル放送の1チャンネル分の周波数帯域を13のセグメントに分けて放送に利用するという、日本独自の放送方式で実現したサービスです。(中略)
 この13個のセグメントのうち、12個のセグメントを一般家庭に固定受信端末(テレビ)向けに利用し、残りの1セグメントをケータイ(携帯電話や携帯端末)向けのテレビ放送として利用しています。
p3「ワンセグとは何か?」

 1セグメントの略がワンセグであることはなんとなく知っていたが、地デジとこのような関係にあるとは知らなかった。「テレビが言えない地デジの正体」を読んだりすると、地デジも問題なしとはしないが、このような政策のもとで進められてきていることに、あらためて目を大きく開かせられる。

 ガラパゴスと揶揄される日本のケータイであるが、外国において、このようにワンセグが見れる地域はどれほど増えているのだろうか。日本のケータイが外国に進出できないのは、世界のワンセグ状況がとうまくマッチできていないからかも知れない。オサイフケータイについてだって、各国の交通網や流通ルートはどこまで開発されているのだろう。

 よくわからなかったが、本書においてはデジタル・ラジオというものも紹介されている。諸外国の地上デジタルとはやはりシステムが違っているようだ。4年前の調査ではあるがユーザーのニーズなども紹介されており、概ね、良好に対応してきたのではないだろうか。ワンセグ、結構地味なイメージがあるが、でも、結構これって、重宝だな、と現在の私は素直に思う。

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