ウェブを炎上させるイタい人たち 面妖なネット原理主義者の「いなし方」
「ウェブを炎上させるイタい人たち」 面妖なネット原理主義者の「いなし方」
中川淳一郎 2010/02 宝島社新書 新書 255p
Vol.3 No.0199 ☆☆★★★
炎上ねぇ。炎上ネタの本は、もう一巡してしまったのではないか。2010年になってもこのタイトルで引っ張るか。「ブログ炎上」2007/03、「ウェブ炎上」2007/10、などが流行ったのはすでに3年前のことである。ちょっと古いかなと思いつつ、著者の前著が「ウェブはバカと暇人のもの」であることを考えると、ちょっとめくってみようかな、と思わせる。
思い起こせば、1990年代初め、ようやくネット社会が切り開かれようとしていた時、私が最初に繋いだのはワープロ通信だった。言ってみれば、今の小さなSNSのチャットみたいなものだが、いつもは文字作成しかしないワープロにモデムをつけると、電話線でピーヒョロロ~、という音とともに、黒い画面に白文字で、仲間達のバトルが展開始まったのだった。
A子 何言ってんのよ、んなこと私言うわけないじゃない。
B江 ふん、いつもその調子で逃げてばかりいる。
A子 キー、こんな通信やめてやる!
C夫 まぁまぁ・・・・・・
B江 Yちゃんは、こんなこと言っていた。
D男 Yちゃんが言ったのは、そういう意味で言ったのではないんじゃない。
A子 BもCもDもYも、な~~んにも分かってない、さいなら。
E美 ほへー~~
私 (無言・・・・・・・・・・・・)
てな感じだった。せっかく、いろいろ機器を準備して、電話会社やプロバイダと契約して、あれこれ分からないまま必死になって繋いだワープロ通信の、第一声が、この仲間達の喧嘩(これはネット上でよくあるバトルという奴だと、あとから分かった)だった。
まぁ、しかし、このバトルが私には面白かった。これをワープロ専用機のプリンターで印刷し、女房に見せつけて、どうだ、これからはこういう時代だ。月2万円の出費など、惜しくはないだろう、と自慢した。もちろん、女房は、あきれ顔で(無言・・・・・)だった。
それから10年以上も経過したあとに、私はいきなり某大手SNSに勧誘された。単にネットワークというより、すでにそこは炎上していたのである。私は、ほとんど炎上の火消し役として呼ばれたのだった。SNSの意味も分からないまま登録し、使い始め、それほど日にちがたたないうちに、自分でもコミュニティを設定し、その炎上をもらいうけた。
管理人としては、とても気が抜けない日々が続いたが、結局は、だんだん消火に成功し、一ヶ月後くらいにはなんとか通常に戻った。厖大なレスは、結局、管理人責任で後日になって全削除した。それが正しかったかどうかは、今のところわからない。しかし、私自身は、バトルも炎上も、嫌いじゃないんだな、と思った。しかも他人のことならね。
私の目には「炎上とバトルはネットの華」と映った。もちろん、その話題の中心になることがあったとするなら、それは結構つらいので、私自身は、出来るだけ小さなうちにバトルも炎上ももみ消すことにしている。ブログに書くことも、自分にしか分からない隠語で書いて記録していることもしばしばある。
本書は、インターネットを巡る世代間闘争の悲しい物語である。p22
というセリフは、著者一流のウィットとアイロニーに満ちた台詞なので、「よし、受けて立とうじゃないか」と、いきり立つほどでもない。
140文字で「今」をつぶやくことができるこのツールは、ネットの先端的ユーザーの中では熱狂をもって迎えられた。そして、次々と解説書が発刊された。
「ツイッター 140文字が世界を変える」
「Twitter革命」
「夢をかなえるツイッター」 coming soon p30
これらの何冊かは読んだし、思えば、他にも結構読み込んでいる。
スマートフォンでツイッター、というコンセプトの中、私にもその環境が出来上がったが、必ずしもモバイルツイッターとして活用したという実績はまだ上がっていない。しかし、ネット社会、IT進化のトレンドとして、もうこれ以上追っかけるのもそろそろいいのではないか、と思う。
思えば、「読書マンダラ2006~10」によれば、当ブログには3つの柱があることになる。敢えて、これらに名前をつけるとすれば、こうなるだろう。
2)Oshoの道
3)アガルタ探検隊
この三本柱の最終的な融合が、当ブログの目的地であり、終了地点である。そう決めつけてみれば、ツイッターも必ずしも最終的な決定打でもなければ、この著者のような視点も必ずしも、第三の波プロジェクトの中枢をいくものでもない。
1)、2)、3)のリストとも、現在のところ、暫定的な未完成な地図である。今後、これらをもう少し整理し、細くすることによって、さらなる統合を図ろうと思う。
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