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2010/10/11

行列のできる保険ショップがはじめて書いた 世界一やさしい保険の本 あなたにピッタリ!保険選びの決定版

行列のできる保険ショップがはじめて書いた世界一やさしい保険の本
行列のできる保険ショップがはじめて書いた
「世界一やさしい保険の本」 あなたにピッタリ!保険選びの決定版
保険相談センター  2010/09 東洋経済新報社 単行本 215p
Vol.3 No.0175 ☆☆☆☆★

 確かに、スーパー等に併設された保険ショップの存在意義はある。そもそも対面販売が義務付けられているような難しい契約ごとであり、ネット販売や通信販売などは、どこかニッチな隙間を狙っているだけだと思う。

 この本における保険はあくまで生命保険についてだが、まずは、これだけの説明があれば、そこそこの生保の知識は身についたことになるだろう。逆に言えば、どの本を読んでも、ここまでは分かるのであって、それほど大きな違いはない。

 さて、じゃぁ、実際に、どれほどの負担になるのか、ということになると、各社まちまちで、パソコンソフトが普及した現代ではあるが、各社のソフトを全部そろえて一気に比較する、ということはなかなかできないであろう。

 そもそも、保険は比較販売を禁じられている面もあり、ネットでの一括見積もりのようなものもあるだろうが、すべて同じ条件で計算する、ということは不可能だろう。ましてや、物販ではなく、長期にわたる契約ごとであり、その契約主体である保険会社の信用度やサービスなども十分に検討されなければならない。

 そもそもこの「世界一」などという表現は、保険販売では禁じられているはずである。この保険相談センターとは、いかなる存在なのかはあまり調べていないが、コンサルタント料で成り立っているわけではなく、保険販売のフィーで成立しているビジネスモデルであるとすれば、この本では商品名や会社名がでていなかったとしても、「世界一」という表現はまずい。消費者に入らぬ誤解を生む。

 ホケンはホケンでも、これは生命保険に限っているわけだし、当然、日本国内だけに限っている。そして基本的な部分だけに限っているわけだから、説明はこれはこれで間違いないだろう。ただ、いくつあるか知らない保険相談センターだが、均質な質の高い対面相談を受けることができるかどうかは、疑わしいところがある。

 FP(ファイナンシャルプランナー)に相談できる、と言うのが売りのようだが、これは必ずしも公的資格ばかりではない。社内資格もあり、紛らわしい資格名もある。厚労省などが認定しているFP資格所持者は、予想するところ、実際に保険販売に従事する職員の5%にも満たないだろう(未確認)。日本FP協会やその他の団体もいくつかのグレードの資格を認定しているが、あまりそのような肩書にも惑わされてはいけない。

 もちろん、どの業界も同じで、資格を持っているから正義の味方である、とは限らない。○暴集団や、悪徳サラ金のために働く弁護士がいるごとく、FPを語って、いらぬ世界へとご招待してくれる人々もいない、とは限らない(念の為)。

 あとは個的な相談で、こちら側の個人情報の開示も必要だし、見直されるべき現況を伝えなければいけない。これらのデータを相手に渡さなければならないのはしかたないとしても、そこからの相談は、本来であれば、別に保険ショップばかりではなく、すべてのホケン契約において実行されなけばならない基本ではあるだろう。

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